【競馬】早くもデビューを迎える、リアルスティールの弟 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 育成を担当したノーザンファーム早来(北海道)の林宏樹氏は、プロディガルサンの素質をこう評価する。

「走らせるとストライドが伸びてきて、乗り味がいいですね。独特の雰囲気と品の良さも持ち合わせていて、何頭かで一緒に走っていても、どこか他の馬を見下したような感じがあるんです。(私は)兄リアルスティールの育成は担当していませんでしたが、この馬のスピードと切れ味は、その兄を彷彿(ほうふつ)とさせますね」

 2歳春の時点で"良血馬らしさ"を見せてきたプロディガルサン。ただ、育成を始めたばかりの頃は、違う印象の馬だったようだ。林氏が続ける。

「育成を始めた頃は、華奢(きゃしゃ)というか、体が細くて、調教もいろいろ工夫しながらやっていました。すると、春を前に馬がガラッと変わって、トモ(※腰から後肢の付け根)もよくなってきましたね」

 今年に入ってから、プロディガルサンはさらなる成長を見せているという。そして同馬は、5月9日に美浦トレーニングセンター(茨城県)の国枝栄厩舎に入厩。12月末にデビューした兄リアルスティールとは異なり、6月20日の早期デビューで競走生活をスタートさせる。

 デビュー時期こそ大きく異なるが、プロディガルサンが目指すのは、もちろん兄と同じ3歳クラシック。リアルスティールが涙をのんだ舞台で、弟は輝くことができるのか。注目のデビューが迫っている。

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