【競馬】「別の生き物」と形容される、2歳世代屈指のディープ産駒 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 その名牝を日本へと連れてきたのが、ノーザンファーム。世界からも注目される繁殖牝馬は、日本のトップ種牡馬であるディープインパクトと配合された。そして生まれたのが、フォイヤーヴェルクである。同馬は、この母にとって初仔となる。

 サラブレッドの初仔は、体が小さくなることが多い。フォイヤーヴェルクも牡馬としては小さなサイズだが、「各パーツがしっかりしている」と林氏は言う。

「最初は小さくてフラフラしていたんですよね。ちょっと頼りない印象がありました。調教でも、他の馬とはメニューを変えてセーブしていたんです。でも、次第に体ができてきて、小さい割に各パーツがしっかりしてきました。デビューは秋頃を予定していますが、お母さんが大きな馬なので、まだどこかで体が成長するかもしれません」

 フォイヤーヴェルクは、栗東トレーニングセンター(滋賀県)の池江泰寿厩舎に所属予定。GI6勝のオルフェーヴルなどを管理してきたトップ厩舎でも、すでに同馬への期待は高まっているようだ。

 ドイツの名牝が、日本の地で生んだフォイヤーヴェルク。「別の生き物」とまで形容された若駒は、一体どんな走りを見せるのか。ターフに登場する瞬間を心待ちにしたい。

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