【競馬】ドゥラメンテに不安。ダービーで台頭する意外な「穴馬」 (3ページ目)

 また、この時点でのリアルスティール陣営の狙いは、「ダービーを見据えての経験」だったと思います。そこで、最高の結果も出したわけですから、よりダービーを意識したでしょうね。皐月賞よりも、今回のダービーを最大目標に置いていたのは、間違いないでしょう。

 鞍上を務めるのは、福永騎手です。ダービーは未勝利ですが、キングヘイロー(1998年、2番人気14着)で初めて挑んでから、ワールドエース(2012年、1番人気4着)、エピファネイア(2013年、3番人気2着)と、悔しい経験を積んできました。もはや「勝っている」ジョッキーと同じ意識で騎乗できると思います。

 昨年は、橋口弘次郎調教師(ワンアンドオンリー)が悲願を達成しましたが、今年はジョッキー、福永騎手の念願がついに叶うかもしれませんね。

NHKマイルC3着のミュゼスルタン。ダービーでも一発を狙う。NHKマイルC3着のミュゼスルタン。ダービーでも一発を狙う。 さて、今回の「ヒモ穴馬」には、NHKマイルC(5月10日/東京・芝1600m)から参戦してくる、ミュゼスルタン(牡3歳)を取り上げたいと思います。

 この馬には、“距離”に懸念材料があります。最も長い距離を走ったのは、前々走のスプリングS(7着。3月22日/中山・芝1800m)ですからね。しかし、前走のNHKマイルC(3着)を見ても、好スタートから折り合って、しかも馬込みでじっと我慢ができていました。他の馬がかかると、それにつられてしまう馬も多いのですが、同馬はそうしたこともなく、そこで溜めた脚が終(しま)いでもしっかりと生かされていました。そのレースぶりから、2400mの距離に不安はないと思います。

 父はドゥラメンテと同じ、今年の活躍が目覚しいキングカメハメハ。母方(アスクデピュティ)の祖母は、マルカコマチ。ドゥラメンテの祖母エアグルーヴほどではありませんが、マルカコマチもサンデーサイレンス産駒ならではの決め手を持っていました。

 今回も落ち着いてレースを運んで、最後の直線まで折り合うことができれば、その血統から引き継がれた末脚が必ず爆発すると思います。その切れ味はGI級ですから、一発を期待してもいいのではないでしょうか。楽しみですね。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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