【競馬】ドゥラメンテに不安。ダービーで台頭する意外な「穴馬」 (2ページ目)

 そう感じるのは、同様に2着で敗れた共同通信杯(2月15日/東京・芝1800m)はもちろんのこと、その前に圧勝したセントポーリア賞(2月1日/東京・芝1800m)でも、最後の1ハロン(200m)のラップタイムが意外と速くなかったからです。

 共同通信杯では道中で折り合いを欠いていましたし、セントポーリア賞では最後流していましたから、スピードが鈍るのは当然と言えます。しかし見方を変えれば、一瞬に抜け出す脚は桁違いですが、それを長く持続できるわけではないのかもしれません。普通の馬に比べれば、断然の脚力を持っているのは確かですが、皐月賞で見せた衝撃的なパフォースばかりに気をとられないほうがいいと思います。

 さらに、ドゥラメンテの気性の荒さも気になります。母アドマイヤグルーヴも、ドゥラメンテと同じように、桜花賞(3着)でものすごい決め脚を見せて、オークスでも1番人気に推されました。しかしオークスでは、末脚が不発。7着と惨敗しました。気の悪さを出してしまったのでしょうね。

 能力からすれば、ドゥラメンテの勝つ可能性は高く、皐月賞の結果から過剰な人気になるのは間違いないでしょう。ですが、こと馬券対象として考えるならば、あまり過信しないほうがいいかもしれません。

 一方、リアルスティール(牡3歳)には、期待が膨らみます。皐月賞(2着)ではドゥラメンテの末脚に屈しましたが、その前に共同通信杯で激突したときには、そのドゥラメンテを負かしています。

 ドゥラメンテは同レースに中1週で臨み、レースでも折り合いを欠いて大外を回るなど、ロスの多い競馬となりました。反対にリアルスティールは、スタートから好位で折り合って、最内をロスなく回って快勝しました。おかげで「恵まれた」という評価もありましたが、忘れてはいけないのは、当時のリアルスティールは新馬戦を勝ち上がったばかりで、共同通信杯が2戦目だったこと。

 競走馬というのは、生き物であって、やはり経験の差は大きいものです。初めて体験することが多ければ多いほど、マイナス要因となります。このときのリアルスティールはまさにそうで、東京競馬場、長距離輸送、揉(も)まれる競馬、重賞競走......と、初めて経験することばかりでした。そういう意味では、「ロスのある競馬」をしたドゥラメンテとは、五分だったと言ってもいいでしょう。それで勝利したわけですから、リアルスティールの力は決して侮れません。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る