【競馬】重馬場も対応。ミュゼエイリアンがダービーで浮上する

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki  photo by Nikkan sports

 牝系も素晴らしい。母の妹エリンコートは2011年のオークス(東京・芝2400m)勝ち馬で、4代母ダンシングシャドウの子孫には、アメリカGIBCターフ連覇し、イギリスGIキングジョージ6世&クイーンエリザベスSを勝ったコンデュイット、GIアイルランドオークスを勝ったペトルーシュカ、GIアイルランド2000ギニーを制したスペクトラムなどがいる。さらに5代母サニーヴァリーまで遡(さかのぼ)ると、イギリスGIオークス馬のサンプリンセス、日本ダービー馬フサイチコンコルド(1996年)、皐月賞馬ヴィクトリー(2007年)とアンライバルド(2009年)、今年に入って重賞2勝のアドマイヤデウス、GIIIダイヤモンドS勝ち馬コスモメドウなど、近親からは欧州と日本を中心に多くの活躍馬が出ているのだ。

 注目すべきは、その近親の多くが2400mを超える長距離戦が得意という点。一貫して1800m以上を使ってきた臨戦課程や、毎日杯で見せた粘り強い走りから見ても、この馬にとっても距離延長はプラスに働きそうだ。

 日曜日は雨予報で馬場状態も気になるところ。この馬自身は道悪を未経験であるが、パワー型の血統なので得意である可能性も高い。

 さらに鞍上は天皇賞・春(ゴールドシップ)、NHKマイルC(クラリティスカイ)で今春のGIを2勝して、好調の横山典弘騎手。すでに2009年のロジユニヴァース、昨年のワンアンドオンリーでダービーを2勝(2着3回)しており、気楽に乗れる馬の立場も好材料。名騎手の"一発"に期待したい。
  

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