【競馬】歴史が証明!? ダービーは「2強」決着では終わらない

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

 いよいよ間近に迫ってきたGI日本ダービー(5月31日/東京・芝2400m)。3歳馬の頂点を決する"競馬の祭典"は、GI皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)を制したドゥラメンテ(牡3歳/父キングカメハメハ)と、2着リアルスティール(牡3歳/父ディープインパクト)の「再戦」という見方が大勢を占めている。

 皐月賞では、好位から抜け出したリアルスティールを、ドゥラメンテが直線で悠々と差し切り勝ち。4コーナーで大きく外に膨らみながら、そのロスをものともしない勝ち馬の強さが際立つレースとなった。と同時に、3着以下を2馬身半離した2着馬リアルスティールにも貫録があった。そのため、日本ダービーにおいても「皐月賞の上位2頭が抜けている」という考えが多数を占め、当日の1、2番人気に推されるのは、間違いなくこの2頭だろう。

 だが、本当にダービーでも、この2頭が上位を独占するのだろうか。近年の歴史を振り返えれば、それは「難しい」と考えざるを得ない。

 というのも、皐月賞の上位2頭がダービーで1、2着となった例は、20年前の、1着タヤスツヨシ(1番人気。皐月賞2着)、2着ジェニュイン(2番人気。皐月賞1着)という結果に終わった1995年にまで遡(さかのぼ)らなければ見つからないからだ。しかもこの20年の間に、皐月賞の上位2頭がダービーで1、2番人気になったケースは、他に5回もあったが、2頭のどちらか、あるいは両方が崩れている。ドゥラメンテとリアルスティールの一騎打ちを望むには、風向きの悪いデータと言える。

 となると、それら5回のダービーを振り返ることで、「2強」に割って入る馬を見つけることができるかもしれない。なかでも、ファンに夢を与えてくれそうな「穴馬」を探してみたい。

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