【競馬】桜花賞1、2着馬は2400mのオークスでも好走できる

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Nikkan sports

 さらに3代母の父リアルシャダイは春の天皇賞馬ライスシャワーなどの父で、ステイヤー種牡馬の代名詞とも言える存在。近親のクィーンスプマンテも2200mのGIエリザベス女王杯を勝っているように、血統的には桜花賞よりオークス向きとも言えるのだ。行きたがる気性がネックだが、再びマイペースで運べれば、すんなり2冠を制しても驚かない。

 桜花賞2着のクルミナルもオークス向きの血統。父ディープインパクト産駒は桜花賞4連覇が印象的だが、オークスではジェンティルドンナが勝利した他、過去3年連続で2着に入っており、こちらも得意の条件なのである。

 母はアルゼンチン3歳牝馬チャンピオンで、同地で芝2000mのGIを2勝。その父キャンディストライプスは天皇賞馬バブルガムフェローの半兄で、ドバイワールドCを勝ったインヴァソールの父。GII青葉賞(東京・芝2400m)を勝ったペルーサの母の父でもある。そんな血統背景からも元々オークス向きと見られていた馬であり、さらなる上昇が見込めるだろう。ただ、こちらはレッツゴードンキのような気性面の不安は少ないものの、チューリップ賞(3月7日/阪神・1600m)で11着と惨敗したように道悪馬場には不安が残る。当日の馬場状態には注意が必要だ。

 桜花賞で単勝1.6倍の断然人気ながら9着と敗れたルージュバック。"ジェンティルドンナに続く女傑"としても大きな期待をかけられていただけに、"まさかの惨敗"と見た人も多いだろう。スローペースで馬群に揉まれたのが敗因となったようだ。母ジンジャーパンチはBCディスタフなど米GI6勝の名牝。母系の血はダート向きで、母の父にオーサムアゲインを持つ馬は芝だと1800m以上しか勝利がないので、マイルより今回のほうが距離は向くだろう。東京芝2000mの百日草特別でベルーフ、ミュゼエイリアンという後の牡馬重賞ウイナーを破っている実績も心強い。揉まれ弱いという弱点が見えたことも今回に生きるはずで、巻き返してきそうだ。

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