【競馬】ヴィクトリアマイル。「一強」ヌーヴォレコルトは安泰か (2ページ目)

 ならば、前走のマイラーズC(4月26日/京都・芝1600m)で7着に敗れたものの、驚異的な決め手を繰り出したディアデラマドレ(牝5歳)に食指が動きます。エリザベス女王杯でも、ラキシス、ヌーヴォレコルトに迫る3着と好走。牝馬限定のGIなら、十分に通用する能力を秘めています。

 だいたいエリザベス女王杯は、ディアデラマドレには「少し距離が長いかな」と思っていました。かといって、マイル戦がベストか、と言えば、それもまた「少し距離が短いかな」という印象がありましたが、マイラーズCで適性があることを証明しました。

 結果は7着でしたが、上位は皆、牡馬の一線級。道中、中団より前にいた馬ばかりでした。しかも開幕週の馬場で、まさに追い込みが効き難い状況にありました。大外から差すことなんて、至難の業と言えます。それでも、道中離れた最後方から、直線だけで7着まで押し上げた末脚には、目を見張るモノがありました。おそらく、今回の東京マイル戦を見据えて、どれだけの脚が使えるのか、測ったところもあったのでしょうね。

 何はともあれ、負けはしましたが、かなり収穫のあるレースでしたし、ヴィクトリアマイルに向けて、いい指針となりました。ステップレースにマイラーズCを選択した陣営はさすがです。本番では、ヌーヴォレコルトを脅かす存在になると思います。

3連勝中のカフェブリリアント(左)。その勢いのまま、一気にGI制覇も狙う。3連勝中のカフェブリリアント(左)。その勢いのまま、一気にGI制覇も狙う。 ヌーヴォレコルト、ディアデラマドレの2頭は強力ですが、もう一頭、注目している馬がいます。カフェブリリアント(牝5歳)です。同馬を今回の「ヒモ穴馬」に取り上げたいと思います。

 前走の阪神牝馬S(4月11日/阪神・芝1400)は、オープン入り初戦で、重賞初挑戦でした。にもかかわらず、好位で折り合って、終(しま)いもしっかり伸ばして快勝しました。これまでにない大人びたレース内容には、「これは馬が変わったな。本格化したな」と驚かされました。

 それまでは、道中は折り合いに専念。後方で脚をためて、それを直線で一気に爆発させるという、極端なレースぶりでした。それが、好位で折り合えるようになったのですから、おそらく気性面の成長も著しいのでしょう。鞍上の福永祐一騎手も、同馬のことについてはすべて手の内に入れているようですし、今回一気にGI制覇まで果たしてもおかしくありません。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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