【競馬】細江純子が語る「思い出のオークスと今年注目の2頭」 (4ページ目)

  • スポルティーバ編集部●構成 text by Sportiva
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

 その後、サンテミリオン騎乗の横山典弘騎手とアパパネ騎乗の蛯名正義騎手がお互いを称えたいと、肩を組んでの勝利騎手インタビューに臨みましたが、そうした光景もなかなか見られるものではありません。しかも、お互いベテランで、ここまで競馬シーンを引っ張ってきた認め合う2人だからこそ、絵になったというのもあります。

 そういえば、あの年のアパパネは距離不安が戦前ささやかれていましたが、蛯名騎手がデビューからずっと乗って、コンタクトをしっかりとってきた強みを本番で発揮できたと思います。

 もうひとつ印象に残っているのは、2012年のジェンティルドンナが勝ったオークスです。あのときはジェンティルドンナの当時の主戦の岩田騎手が騎乗停止を受けてしまい、川田将雅(ゆうが)騎手に臨時にスイッチしたときでした。ジョッキーというのは、自分が乗れず、他人で勝たれてしまうと、馬を応援するつもりはあっても、なかなか受け入れられないもやっとしたものがあるのが普通です。

 ですが、岩田騎手はジェンティルドンナのことがすごく好きで、乗り代わりが決まったときだけじゃなく、枠が決まったらすぐに川田騎手に連絡をして、アドバイスを送るなど、ジェンティルドンナが勝つために、自分も川田騎手といっしょに戦いを挑んでいるようでした。レース当日も、テレビを見ながら、「そうそう! そのまま、ドンピシャ! 行けー!」と応援して。

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