【競馬】細江純子が語る「思い出のオークスと今年注目の2頭」 (3ページ目)

  • スポルティーバ編集部●構成 text by Sportiva
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

 牝馬特有の難しさにばかり触れてしまいましたが、それを踏まえてもオークスは競馬が初めての人にもオススメのレースです!

 当日の競馬場の雰囲気も、他の大レースの日と違って、女性向きの明るさ、華やかさに満ちあふれています。なんといっても3歳牝馬のかわいらしさがあるし、各馬の担当スタッフの愛情がパドックでは見ることもできます。なにしろ、過敏で繊細な牝馬を相手にしているだけに、扱う担当者の皆さんはみんな優しい。飼い葉食いの悪い馬だと、何時間もかけて自分の手であげたり、当日は馬房の前にいて安心させてあげたり、という話も聞きます。曳(ひ)くときも、力強いとか意気揚々というよりも、さながら従者のように優しくエスコートするような感じです。小さい女王様の戦いですからね。

 また、このレースを見ておくと、秋以降の勢力図も見えてきますし、夏を越して成長の違いが見えるという楽しみもあります。

 思い出のオークスというと、最近のところで真っ先に思い出すのが、2010年のサンテミリオンアパパネの同着です。

2010年オークス。GI史上初の1着同着となったアパパネ(手前) とサンテミリオン photo by Kyodo News2010年オークス。GI史上初の1着同着となったアパパネ(手前) とサンテミリオン photo by Kyodo News

 GIで1着同着は史上初めて。いつもなら、検量前に写真判定を待つ2頭が歩いていても、どちらかに明暗が分かれてしまい、その結果で2頭の向かう先が別々になってしまう姿は、しのびなく思っていました。それが、あのときは2頭1着という大団円で、あの場にいた誰もが笑顔になれる決着でした。

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