【競馬】細江純子が語る「思い出のオークスと今年注目の2頭」 (2ページ目)

  • スポルティーバ編集部●構成 text by Sportiva
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

 また、距離が長くなることの対策で、ふだんと調整が変わることでも、デリケートに反応する馬がいます。中には、食事を取らなくなって、そのために強い調教もできなくなり、そうして精神的にイライラして、ちゃんとコミュニケーションがとれず、すべてが崩れてしまうということも少なくありません。輸送や初めての競馬場で1泊することが影響してしまう馬もいます。

 正直、距離適性というのはこの時期では、まだ見えてきません。いかにジョッキーとのコミュニケーションで、道中をリラックスして走らせられるかが大事になってきます。

 となると大事なのは前哨戦での内容。ひょっとしたら2400mにうまく対応できるんじゃないかという片鱗を見せるケースもあります。例えば2011年のオークスを勝ったエリンコート。忘れな草賞(阪神・2000m)の3コーナーで他馬が動いたときに、それにつられずにちゃんと我慢ができていました。こういう姿を見せている馬は、オークスでも鞍上のゴーサインが待てるのです。

 また、1600~1800mだと忙しすぎて、前半置かれてしまうような馬もいいでしょう。とにかく折り合いの心配なく、レースに挑めることは、ジョッキーにとっても大きなアドバンテージなります。逆に折り合いが難しいと、そこに注力してしまって、レースの中、微妙に反応が遅れたり、後手に回ることになって、組み立てるとか、相手を見るとか、展開も何もなくなってしまいます。
 
 ハープスターがすごい脚を持ち、あれだけ強いのに、ヌーヴォレコルトに去年のオークスでやられたのは、あの時点でのハープスターはリズムを大事にすることに注力せねばならず、後ろから行く競馬に徹していたからです。それに対して岩田康誠(やすなり)騎手とヌーヴォレコルトは先にうまく立ち回ることで、これを完封しました。

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