【競馬】天皇賞・春。穴馬は、躍進「日経賞組」の中にいる (2ページ目)

 一方、もう一頭のGI馬キズナは、常に安定した走りを見せてくれます。乗り役流に言うなら、最後に確実に脚を使ってくれます。ここ2戦は結果を出せていませんが、2走前の京都記念(2月15日/京都・芝2200m)は骨折明けで9カ月ぶりの競馬。それも、目いっぱいの仕上げができない厳寒期のレースでした。それで、勝った馬とタイム差なしの3着なら、内容的には十分評価できるものだったと思います。

 前走の大阪杯(4月5日/阪神・芝2000m)では、きちんと仕上げられていたので、結果2着に敗れたのは残念でした。しかし、仕掛けてからの反応、その加速力、抜け出すときの脚......というのは、好調時のそれでした。最後は牝馬ラキシス(牝5歳)に内から差されてしまいましたが、後続はしっかりと突き放していました。

 おそらく、キズナ自身、道悪は苦にしないものの、それ以上にラキシスにとっては得意な馬場だったのでしょう。そんな負け方でしたね。普通の馬場であれば、負けることはなかったと思いますよ。幸いにして、今週末はいい天気で行なわれそうです。今度は、本当に強いキズナを見せてくれるのではないでしょうか。

昨年3着のホッコーブレーヴが今年も波乱を起こす!?昨年3着のホッコーブレーヴが今年も波乱を起こす!? 他で気になるのは、近年天皇賞・春での活躍が目立っている"日経賞組"(3月28日/中山・芝2500m)。今回の「ヒモ穴馬」には、その日経賞(3着)から参戦してくるホッコーブレーヴ(牡7歳)を取り上げたいと思います。

 昨年も日経賞(2着)から天皇賞・春に挑んだホッコーブレーヴは、あわや突き抜けるか、という末脚を披露。見事3着と好走しました。最大の売りは、バテないタイプであること。さらに、長くいい脚を使えるのも強みです。

 ただ昨年は、天皇賞・春で好走したあと、宝塚記念では不利もあって8着と惨敗。秋になってからも、アルゼンチン共和国杯(2014年11月9日/東京・芝2500m)14着、ステイヤーズS(2014年12月6日/中山・芝3600m)5着と、どうも煮え切らないレースが続いていました。どこか、リズムが狂ってしまったような感じでしたね。

 勝負事では、こういった"流れ"というものもありますが、その悪い流れを払拭(ふっしょく)できたのが、前走の日経賞でした。改めて"走る"ということが証明され、この中間の調整もすこぶる順調なようです。万全の仕上げで臨んでくれば、昨年同様、上位に食い込んでくる可能性は十分にあります。一発を期待したいですね。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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