【競馬】皐月賞、過去の伏兵馬と類似する「4頭の穴馬」

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

4月特集 春競馬、クライマックス(11)

 3歳牡馬クラシックの第1弾となる皐月賞(4月19日/中山・芝2000m)。今年の牡馬クラシック戦線は、長らく混戦模様と見られてきたが、決戦直前の時点では、どうやら「3強の争い」といったムードにある。

「3強」とは、サトノクラウン(牡3歳/父マルジュ)、リアルスティール(牡3歳/父ディープインパクト)、ドゥラメンテ(牡3歳/父キングカメハメハ)のことだ。

 サトノクラウンは、これまで3戦3勝。この世代の牡馬で唯一、重賞レースを2勝している。リアルスティールは、わずか2戦目でGIII共同通信杯(2月15日/東京・芝1800m)を制した逸材であり、ドゥラメンテは母がGI2勝のアドマイヤグルーヴ、祖母が"女帝"エアグルーヴという日本屈指の良血馬。それぞれ、人気を集めるにふさわしいステイタスがある。

 とはいえ、この3頭が圧倒的に抜けた存在とは、決して言い切れない。なにしろ、3歳春のサラブレッドはまだまだ成長段階にあり、わずかな要素で結果が思わぬ方向に転んでもおかしくないからだ。先日行なわれた3歳牝馬クラシックの桜花賞(4月12日/阪神・芝1600m)でも、それは実証されたばかりである(※圧倒的1番人気のルージュバックが9着に惨敗)。

 まして、皐月賞の舞台となる中山・芝2000mは、コーナーが4つあって、最後の直線はわずか310mと短い"難コース"。成長途上の3歳馬が、このテクニカルなコースで戦うとなれば、伏兵の台頭も十分にあり得るのではないだろうか。

 実際、過去10年の皐月賞を振り返ってみても、単勝6番人気以下の伏兵が3勝も挙げている。ならば、その3頭をヒントにして、今回逆転の可能性を秘める馬を浮き彫りにしていきたい。

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