【競馬】安藤勝己セレクト「2015年3歳牡馬クラシック番付」 (3ページ目)

  • 新山藍朗●構成 text by Niiyama Airo
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

関脇:リアルスティール(牡3歳)
(父ディープインパクト/戦績:3戦2勝、2着1回)

 キャリア2戦目で重賞の共同通信杯を勝つんだから、すごい素質があるってことだよね。前走のスプリングSにしても、負けたとはいえ、強烈な脚を使ってしっかりとクビ差の2着まで追い込んだ。やはり、世代トップクラスの能力を持っていることは間違いない。

 ただ、気がかりなこともある。もともと気性面に不安がある馬は、使い込むことによって、その課題がだんだん露呈することがある。この馬も、スプリングSでそんな素振りを見せ始めた。道中、やや行きたがって、鞍上が位置取りを考えるより何より、馬を我慢させるのに精一杯という感じだったからね。ひとつ上の兄ラングレー(牡4歳)も、3歳の春先はそれで苦しんで、成績が頭打ちになった。能力は上位だが、クラシック制覇には、自分との戦いに勝てるかどうかがポイントになる。


小結:キタサンブラック(牡3歳)
(父ブラックタイド/戦績:3戦3勝)

 この馬の最大の特徴は、フットワークがすごくゆったりしていること。母の父がサクラバクシンオーと、距離に限界がありそうに見えながら、2000mの距離もこなせてしまうのは、そのおかげだと思う。

 前走のスプリングSでも、ゆったりしている分、スタートしてからの一完歩、二完歩目は決して速くなかった。でも、そこで鞍上がググッと押し出すと、スーッとスピードに乗って前に出て行ける。並の馬だと、それでかかってガーッと行ってしまうんだけど、この馬は折り合える。そこが、この馬の非凡なところであり、俺が「距離はこなせる」と思う理由だ。

 精神面もしっかりしているし、スプリングSの勝ち方を見ると、思った以上に力をつけている感もある。特に皐月賞では、怖い一頭になるね。

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