【競馬】安藤勝己が選定「2015年3歳牝馬クラシック番付」 (2ページ目)

  • 新山藍朗●構成 text by Niiyama Airo
  • 村田利之●撮影 photo by Murata Toshiyuki

  横綱:ルージュバック(牝3歳)
(父マンハッタンカフェ/戦績:3戦3勝)

 今年の3歳牝馬は素質馬がそろっているけど、「横綱」はこの馬で揺るがないと思うな。3戦3勝で、前走は重賞のきさらぎ賞で牡馬相手に完勝した。デビュー戦でもラスト(3ハロン)32秒台の脚を使っているし、ここまでの実績は本当にすごいよ。

 また、過去3戦のレースぶりがすべて違う。つまりそれは、どんな競馬にも対応できるということ。決して目を引くような馬体ではないんだけど、相当な「器」の持ち主だよね。結局、見た目と違っていい走りができるのは、バネがいいからだと思う。フットワークがよくて、すごく柔らかい走りをする。それが、最後の瞬発力にもつながっている。一定のリズムで走れるし、距離が延びてもいいタイプだろうね。

 あと、ローテーション的にも余裕があるのが、好感が持てる。それだけ、陣営がこの馬に対して自信を持っていた証拠。前走で輸送も経験して、距離への不安もない。春は、桜花賞、オークスも勝って、秋には凱旋門賞挑戦......そんな期待を抱かせる馬だね。


大関:ココロノアイ(牝3歳)
(父ステイゴールド/戦績:5戦3勝、2着1回、3着1回)

 うまくまとまっている馬だけど、チューリップ賞(1着)の前までは、正直そんなに強いとは思っていなかった。昨年末の阪神ジュベナイルフィリーズ(以下、阪神JF)で3着と好走したときも、馬の実力というよりは、ノリ(横山典弘騎手)が上手に乗った、という印象が強かったからね。

 それだけに、チューリップ賞の走りには驚いた。「この馬、こんなに強かったのか」と。こじんまりと完成された馬だと見切っていたけれども、思った以上に成長力を秘めていた、ということだろうね。それと、やっぱり暮れのGI(阪神JF)で上位に来るような馬は、それほどの実力馬ということ。ただ、ルージュバックを負かす、というイメージまではわいてこない。あくまでも、2着候補のトップと見ている。

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