【競馬】ドバイワールドカップ、今年も日本馬に勝算あり! (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • photo by Kyodo News

 今年のドバイWCを語る上で欠かせないのがオールウェザー(以下、AW)からダートへのコース素材の改修だ。

 このコースの歴史を振り返ると、2009年まで開催されていた旧競馬場であるナドアルシバではダートが使用されていた。ダートといっても、砂である日本のそれとは異なり、土をほぐしたようなタイプのもので、北米で使用されているものと近似していた。そのため、09年までのドバイWCは北米勢が強く、14回中8回が北米調教馬だった。

 2010年に現在のメイダン競馬場がオープンすると、それまでのダートに替わって通称「タペタ」を使用したAWコースとなる。タペタは砂にワックスと、廃棄された合成ゴム由来の繊維を混合させた合成素材で、水はけの良さやメンテナンスの容易さから、導入当初は歓迎する声が高かった。しかし、かつての主役だった北米勢の参戦が減り、さらに維持管理費用の増大、脚もとを傷める馬が相次いだことから、昨年のドバイWC後に再びダートへと転換することとなったのである。
 
「実はヨーロッパから来て、ダートで調整していた馬が、軒並み脚を傷めています。どうやら、ダートに深さはあるものの密度があまりなく、ダートの下の固い層に直接当たっているような感覚のようで、タペタとはまた違った形で脚にくるようです」
 
 そう話すのは、アイルランドで開業している日本人調教師の児玉敬氏で、ドバイWCに先立って行なわれているインターナショナルカーニバルに1月から参戦しているのだ。レースを前にして不安を感じる情報だが、児玉氏はフォローするように続ける。

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