【競馬】スプリングS、急成長のフォワードカフェが波乱を起こす (2ページ目)

 そして、今年も大きなチャンスを迎えています。おそらくパートナーとなるのは、今回手綱をとるリアルスティール(牡3歳)でしょう。

 3馬身半差で完勝したデビュー戦もインパクトがありましたが、何より圧巻だったのは、2戦目の共同通信杯(2月15日/東京・芝1800m)。通常、わずか1戦のキャリアの馬にとって、東京までの長距離輸送をこなし、しかも重賞に挑戦することは、かなり高いハードルとなります。にもかかわらず、リアルスティールはスムーズな競馬を見せて快勝。それも、クラシック候補のドゥラメンテ(牡3歳)を退けての勝利には驚かされました。

 その走りは、まさに同馬の潜在能力の高さを証明するもので、福永騎手自身、今年は相当ダービーを意識しているのではないでしょうか。

 すでにクラシック出走への賞金を得ているため、あくまでも今回は、その大舞台に向けて"経験を積む"というのが目的だと思いますが、リアルスティールならば、初の中山という課題も苦にせず、結果を出せるのではないでしょうか。それだけの器の持ち主だと思います。

 ダノンプラチナとリアルスティール。有力2頭がどんな競馬を見せてくれるのか、本当に楽しみでなりません。

 この2頭以外にも、京成杯(1月18日/中山・芝2000m)1着のベルーフ(牡3歳)に、2着のブラックバゴ(牡3歳)、新潟2歳S(2014年8月31日/新潟・芝1600m)の覇者ミュゼスルタン(牡3歳)など、重賞実績のある好メンバーがそろいましたね。そんな層の厚いレースですが、一発を期待したい馬がいます。今回の「ヒモ穴馬」に取り上げる、フォワードカフェ(牡3歳)です。

3歳になって馬体がしっかりしてきたフォワードカフェ。3歳になって馬体がしっかりしてきたフォワードカフェ。 フォワードカフェはもともと、デビュー当時から期待の高かった素質馬です。ただ、3歳秋になってから活躍し始めたマンハッタンカフェの産駒だからか、2歳の間は馬体の緩さが感じられました。その分、デビュー戦を勝ってからは足踏みしていましたが、年が明けて2戦を消化すると、「何か雰囲気が変わってきたな」という印象を受けました。

 そして、迎えた前走の水仙賞(2月28日/中山・芝2200m)。好位からの競馬で、終(しま)いもしっかりと伸びて快勝しました。馬体の緩さが、解消されつつあるようです。

 こうなってくれば、成長曲線がグンッと上向くのがこのタイプです。今回、相手は一気に強化されますが、いい勝負ができる可能性は十分にあります。

 ちなみに、フォワードカフェを管理する小島太厩舎は先週の3月14日、GIII中日新聞杯(中京・芝2000m)をディサイファ(牡6歳)で制覇。アネモネS(中山・芝1600m)ではメイショウメイゲツ(牝3歳)が2着に入って桜花賞の出走権利を獲得しました。さらに3歳牡馬のストレンジクォークが2勝目を上げるなど、厩舎に勢いがあります。フォワードカフェへの期待が膨らみます。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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