【競馬】高次元の弥生賞。重賞未勝利でもコメートが狙える理由 (2ページ目)

 前走のホープフルSは、当然1番人気だと思っていましたが、わずか1戦のキャリアが嫌われてか、2番人気にとどまりました。しかしそのレースぶりは、1番人気の馬が見せるそれでした。好位追走から直線で抜け出す、まさに横綱相撲での快勝でしたね。

 2戦目ゆえ、体はいくらか締まっていて、追ってからの反応も見ることができました。それでも、まだ目いっぱい追っていませんでした。本気で追ったらどこまで伸びるのか、その脚を早く見てみたいですね。それも、(日本ダービーが開催される)東京コースだったらどこまで伸びていくのか、先々が楽しみです。

 もちろん、まだキャリア2戦ですから、内枠を引いてもまれたときや、ペースが速くなったときの対応など、課題はあります。が、そうした課題を楽にクリアするだけのモノを、シャイニングレイは持っていると思います。ここで圧勝するようなら、間違いなく牡馬クラシック戦線の目標的な存在になるでしょう。

 前述のとおり、このレースには重賞勝ち馬が多く出走しますが、あえて他に気になる馬を挙げるとすれば、葉牡丹賞(12月6日/中山・2000m)を快勝しているトーセンバジル(牡3歳)。重賞ウイナーではありませんが、鋭い決め手を持っているのが魅力ですね。

地味な存在ながら、侮れないコメート。地味な存在ながら、侮れないコメート。 そして、今回の「ヒモ穴馬」も、重賞ウイナーではなく、ホープフルSで2着と好走したコメート(牡3歳)を取り上げたいと思います。

 コメートの最大の長所は、前目の好位でしっかりと折り合えること、馬込みも苦にしないで内でじっくりと我慢できること。要するに、レースがとてもうまい馬です。前々走のきんもくせい特別(1着。11月2日/福島・芝1800m)も、前走のホープフルSも、好位からしぶとく伸びて、レース巧者ぶりが存分に発揮されていました。

 中山コースというのは、直線の長い東京や新潟に比べて、仮に能力差があっても逆転できる、言い換えれば"ごまかしの利く"コースです。レース巧者のコメートならば、重賞ウイナーたちを相手に、互角以上の競馬を見せてもおかしくありません。

 鞍上を務めるのは、嘉藤貴行騎手(33歳)。「若手、若手」と思っていましたが、今年でもう16年目を迎え、ベテランの域に入ってきています。

 おそらく、デビューからずっと手綱をとってきた馬でクラシック戦線に向かうのは、初めてのことではないでしょうか。そうした過程を経た馬に跨(またが)っていられるのは、騎手冥利に尽きます。ぜひここでも、皐月賞に向けて夢が膨らむようなレースを見せてほしいです。そんな嘉藤騎手への応援の意味も込めて、コメートの一発に期待したいと思います。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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