【競馬】ウオッカら希代の女傑に継ぐ「大器」ルージュバック (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 永島氏は、現時点において「クラシックへの不安材料はほとんど見当たらない」という。

「きさらぎ賞では、初めてとなる関西圏への長距離輸送をクリアできました。また、レースでは前に馬がいなくても自分で折り合えました。差し当たって課題は見当たらず、持ち味である素晴らしい瞬発力を発揮できれば、十分にGIでも戦えると思います。もちろん、今後さらなる成長を遂げてくれれば、なお"言うことなし"といったところです」

 牡馬の一線級を負かしたレースぶりから、牝馬限定戦ではなく、皐月賞や日本ダービーといった牡馬中心のGIに挑んでほしい、という声もある。が、永島氏によれば「あくまで、牝馬クラシックが目標」とのこと。今後は、4月12日のGI桜花賞(阪神・芝1600m)、5月24日のGIオークス(東京・芝2400m)へと駒を進めて、3歳牝馬の頂点を目指す。

 近年の日本競馬界では、ウオッカ、ブエナビスタ、ジェンティルドンナなど、牡馬相手にもヒケをとらない「女傑」が次々に登場している。きさらぎ賞で次元の違う走りを披露したルージュバックは、その系譜をたどる"新ヒロイン"候補であることは間違いない。まずは、今春の牝馬クラシックでどれほどの強さを見せてくれるのか、楽しみにしたい。

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