【競馬】共同通信杯。ティルナノーグが「2強」の一角を崩す

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 この週末は、東西で重賞が3鞍行なわれます。3歳牝馬によるクイーンC(東京・芝1600m)が2月14日に、キズナ(牡5歳)やハープスター(牝4歳)らトップホースが参戦する京都記念(京都・芝2200m)と、3歳牡馬の「クラシック登竜門」と言われる共同通信杯(東京・芝1800m)が2月15日に開催されます。

 それぞれ興味深いレースですが、ここでは近年「出世レース」として注目度が高まっている共同通信杯を取り上げたいと思います。昨年は1着イスラボニータ(牡4歳)が、3年前(2012年)には1着ゴールドシップ(牡6歳)と2着ディープブリランテが、のちにクラシックを制しました(イスラボニータが皐月賞、ゴールドシップが皐月賞と菊花賞、ディープブリランテがダービーを勝利)。ちなみに、3年前の3着馬スピルバーグ(牡6歳)は、昨秋の天皇賞を制覇しました。今年もクラシック候補が多数参戦。今後を占う意味でも、見逃せない一戦と言えるでしょう。

 有力馬の筆頭格となるのは、前走の勝ち方が衝撃的だったドゥラメンテ(牡3歳)。未勝利戦(2014年11月8日/東京・芝1800m)でも2着に6馬身差をつける鮮やかな勝ち方を見せたので、前走のセントポーリア賞(2月1日/東京・芝1800m)も注目していましたが、予想をはるかに超える強さでした。

 道中は中団でしっかりと折り合って、直線で行き場を確保してから追い出されると、瞬時に反応。あっという間に抜け出して、その後も伸び脚が衰えることなく、後続をどんどん突き放して5馬身差の圧勝劇を演じたのです。ディープインパクトほどとは言いませんが、それに近いモノを感じました。まさに次元の違う走りでしたね。

 2月8日にもクラシック候補が集結したきさらぎ賞(京都・芝1800m)が行なわれ、牝馬のルージュバック(牝3歳)が強烈な末脚を見せて牡馬を一蹴。一躍世代トップクラスの評価を受けましたが、本当に長くいい脚を使うドゥラメンテの決め手はそれ以上かもしれません。共同通信杯でも結果を出して、ぜひ次のステージに進んでほしいものです。とにかく、先々が楽しみな一頭ですね。

 ライバルを挙げるとすれば、重賞で2着2回の実績を持つアヴニールマルシェ(牡3歳)でしょう。その重賞2戦、新潟2歳S(2014年8月31日/新潟・芝1600m)と東京スポーツ杯2歳S(2014年11月24日/東京・芝1800m)にしても、ともに内容的には勝ちに等しいものがありましたからね。どちらも究極の決め脚勝負となってしまい、いい脚を長く使える同馬の最大の長所が生かし切れませんでしたが、少しでも展開が向いていれば、2戦ともアヴニールマルシェが勝っていたのではないでしょうか。

 ただ今回も、前走の東京スポーツ杯2歳Sと同じ舞台。再び不向きな展開になる可能性があります。何よりドゥラメンテを負かすのは非常に難しいと思いますが、ドゥラメンテ以外には負けられないところでしょう。

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