【競馬】クラシックの足音。きさらぎ賞と共同通信杯を血統で斬る

  • 平出貴昭(サラブレッド血統センター)●文 text by Hiraide Takaaki
  • photo by Nikkan sports

 今年は2月からクラシック戦線が熱い! 8日のGIIIきさらぎ賞(京都・芝1800m)、来週15日のGIII共同通信杯(東京・芝1800m)と、3歳クラシック戦線を占うにあたって重要なレースが続く。特に今年は例年以上に、実力馬・有力馬が揃い、見逃せないレースとなりそうだ。今回はこの2レースを、将来性も見据えながら、血統的視点から展望してみたい。

追い切りで力強い動きを見せたルージュバック。関東所属 の牝馬がきさらぎ賞に挑戦するのは29年ぶり!追い切りで力強い動きを見せたルージュバック。関東所属 の牝馬がきさらぎ賞に挑戦するのは29年ぶり!

◆きさらぎ賞
 まずはきさらぎ賞。このレースは2011年トーセンラー、2012年ワールドエース、2014年トーセンスターダムと、過去4年で3頭のディープインパクト産駒が勝っているが、勝ち馬の春のクラシック成績はワールドエースの皐月賞2着が最高と、あまり本番にはつながっていない。今回はディープインパクト産駒を中心視するが、負けた馬の中から、GI皐月賞やGIダービー向きの馬を探す、という見方も大切だ。

 ポルトドートウィユ(牡3、栗東・高野友和厩舎)は父がディープインパクト、母がオープン特別・エルフィンSを勝ったポルトフィーノ、祖母がオークス馬エアグルーヴという血統。今回と同じ舞台のオープン特別・萩Sでは2着に入り、GIIIシンザン記念を勝ったグァンチャーレに先着。前走のシクラメン賞(阪神・芝1800m)を上がり3ハロン33秒5の末脚で差し切ったように、4戦すべてでメンバー中最速の上がり3ハロンタイムを計時しており、瞬発力が最大の武器だ。

 馬体重がデビュー戦から14kg増えているように、クラシックを見据えて早いうちから無理をさせず、成長を促しながら力をつけていることが見受けられる。4戦2勝2着2回と実に安定しており、中心視すべき存在だ。

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