【競馬】混戦の京成杯。柔軟性あるブラックバゴに一発の気配 (2ページ目)

 好メンバーがそろった寒竹賞(1月5日/中山・芝2000m)を快勝したタケルラムセスも、なかなかの器の持ち主です。今回は、中1週での参戦というのがやや気になりますが、寒竹賞では後方からの差し切り勝ちという、味のある競馬を見せてくれました。その非凡な決め手は、重賞級と言えます。今度はどんなレースを見せてくれるのか、興味が尽きません。

 今回が初の芝レースとなるイーデンホールは、普通に考えると厳しいと思いますが、中山・芝2000mというのは、わりとごまかしの利くコースです。瞬発力よりは、操作性のよさとしぶとい脚があれば、十分に勝機があります。ダートとはいえ、この馬が勝ってきたレースには、そういう側面が感じられました。軽視は禁物です。

中山・芝2000mを経験している強みがあるブラックバゴ。中山・芝2000mを経験している強みがあるブラックバゴ。 さて、今回の「ヒモ穴馬」には、前走のホープフルS(12月28日/中山・芝2000m)で3着だったブラックバゴ(牡3歳)を取り上げたいと思います。

 前述したとおり、中山・芝2000mというのはごまかしの利くコースですが、逆に言えば、それだけ乗り難しいコースでもあるのです。ゆえに、このコースを経験しているということは、ある程度のアドバンテージになります。まして、その経験が好メンバーのそろった重賞レースだったのですから、なおさらプラス材料と言えます。

 そのホープフルSは、勝ち馬シャイニングレイ(牡3歳)の強さが目立ったレースでした。しかし、このブラックバゴも厳しい競馬をこなして、3着入線を果たしています。

 レースでは、常に内々を追走し、4コーナーでも最内を回ってコースロスは最小限に抑えることができました。そうして脚をためることができたのは、確かに外を回った馬よりも有利だったと思いますが、直線の坂下で前が詰まり気味になって抜け出せず、我慢を強いられてしまったのです。

 中山の短い直線では非常に厳しい状況でした。しかしブラックバゴは、前が開いた瞬間、鋭く伸びて2着馬とは同タイムの3着まで押し上げたのです。

 キャリアの浅い馬にとって、この経験も大きな糧となります。通常レース経験の少ない馬は馬込みを嫌うものですが、内で競馬ができたということは、どんなレースにも柔軟に対応できるわけですからね。乗り手にとっての選択肢も増して、心強い限りです。

 とすれば、紛れ(人気馬や実力馬が何らかの理由でその能力を発揮できなかったりすること)があったり、混戦になったりすれば、その強みは一層生かされることでしょう。今回もそんなレースになりそうな雰囲気があるだけに、ブラックバゴへの期待が膨らみます。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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