【競馬】影薄いディープ産駒。阪神JFで示される「ハーツ時代」 (2ページ目)
2頭はその後、2006年にともに現役を引退。翌2007年から、同時に種牡馬デビューを果たした。
ディープインパクトは、種牡馬になってからも現役時代同様の快進撃を見せた。初年度産駒(2010年デビュー)から、早速GI馬を輩出(※)。2012年には2世代目のジェンティルドンナ(牝5歳)が、牝馬三冠(桜花賞、オークス、秋華賞)を達成した。その三冠ですべて2着だったヴィルシーナ(牝5歳)も、ディープ産駒である。
※マルセリーナ(2011年桜花賞)、リアルインパクト(2011年安田記念)。
さらに、競馬界最高の栄誉とされる日本ダービー(東京・芝2400m)でも、2012年(ディープブリランテ)、2013年(キズナ)と、産駒が連覇を達成。産駒デビュー3年目(2012年)で種牡馬リーディングのトップに立ち、以来その座をキープ。最強種牡馬として君臨している。
一方のハーツクライは、種牡馬入り直後の産駒の結果は振るわなかった。GIを制すような際立った成果もなく、ディープインパクトがトップに立った2012年の種牡馬ランキングでも、9位にとどまっていた。
だが昨年10月、産駒のジャスタウェイ(牡5歳)がGI天皇賞・秋(東京・芝2000m)を圧勝。ハーツクライ産駒初のGI制覇を飾ると、一気に産駒たちが躍進。今年のGIオークス(東京・芝2400m)を制したヌーヴォレコルト(牝3歳)や、その翌週のダービーを勝ったワンアンドオンリー(牡3歳)など、大物も次々に登場してきた。そうして、今年の種牡馬ランキングでは、ディープインパクト、キングカメハメハに次ぐ3位にまで浮上している(12月11日現在)。
しかも、オークスでヌーヴォレコルトが2着に負かしたのは、ディープ産駒のハープスター(牝3歳)。あの有馬記念を象徴するような逆転劇が、産駒たちの間で度々生まれている。ハーツクライは種牡馬となっても、ディープインパクトを脅かす「宿敵」になっているのだ。
もはやハーツクライ産駒の有力馬となれば、ディープ産駒以上に無視できない存在と言える。今回のコートシャルマンが、まさにそうだ。
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