【競馬】マイルCS、過去のデータから浮上した2頭の穴馬 (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

 一方、サンレイレーザーは、2着に入ったGII毎日王冠(10月12日/東京・芝1800m)をステップに、この舞台に挑む。同馬は、すでにキャリア30戦(地方競馬時代も含む)のベテランだが、ここに来て明らかに「充実期」を迎えている。

 それを示すのが、毎日王冠でのレースぶり。これまでほとんどやったことのない「逃げ」の手に出ると、東京の長い直線でもへこたれず2着に粘り込んだ。ジョッキーの意のままに動き、経験のない逃げのスタイルで結果を出したところに、サンレイレーザーの充実ぶりがうかがえる。

 なお、この毎日王冠で3着に入ったスピルバーグは、その後のGI天皇賞・秋(11月2日/東京・芝2000m)で見事に優勝した。となると、のちの天皇賞馬を抑え込んだサンレイレーザーが、GIの舞台で飛躍するシーンがあってもおかしくない。

 レッドアリオンとサンレイレーザーは、まだ重賞タイトルさえ手にしていない馬。その2頭がいきなりGIを勝つのは、簡単ではないだろう。しかしこの秋のGIは、これまですべて重賞タイトルのない馬が戴冠している。その“トレンド”に乗って、2頭が大仕事をやってのけても不思議ではない。

 主役に挑む、粒ぞろいの伏兵たち。マイル王の座をかけた波乱に満ちた戦いのゲートが、まもなく開かれる。

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