【競馬】世界が注目! 欧州「名家」出身のディープ産駒 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 全弟の話題が競馬界を駆けめぐる中、姉もデビューに向けて着々と準備を進めてきた。10月10日にゲート試験に合格すると、その後は初陣に向けて、コンスタントに追い切りを消化していった。その様子を見守ってきた関西競馬専門紙のトラックマンが語る。

「陣営によれば、牧場では少しうるさい面を見せていたようですが、トレセンに来てからは落ち着いているとのこと。『トラブルもなく、調整できている』という話を聞いています。もちろん陣営は、血統面からの期待も大きく、馬体の作りや、そこから伝わってくる雰囲気には、能力の一端を感じているようです」

 タッチングスピーチは、11月9日(日)の2歳新馬(京都・芝1600m)でデビュー予定。鞍上は、牝馬GIを多数獲得している福永祐一騎手が務めるとのことだ。

 気になるのは、デビューが迫り、調教ではそれなりの内容が求められるが、この点に関して「陣営の評価が渋い」ということ。前述のトラックマンが語る。

「調教のタイムが期待するほどではなく、陣営としてはそこに物足りなさを感じているようです。『将来的には期待はしているけど、デビュー戦からいきなり勝つというのは難しいかもしれない』という話も出ています。注目度の高い馬ではありますが、長い目で見ていくのがいいかもしれませんね」

 とはいえ、調教で走らなくても、レースに行ってガラッと変わる馬はいる。良血馬であれば、なおさらである。世界的な血統馬がどんな走りを見せるのか、注目の初戦をしっかりと見届けたい。

2 / 2

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る