2014.11.02

【競馬】あのパカパカファームが充実施設を新設

  • 河合力●文 text&photo by Kawai Chikara

「自分で言うのも何ですが、ベッドが大きく、それなりの設備が完備されていて、結構いい部屋だと思っています。お客さんにはどんどん活用してもらいたいですね。メディアの人? そういう関係者の方の利用はちょっと考えていませんでした。東京の高級ホテル並みの宿泊費を払っていただけますか?」と言って笑ったスウィーニィ氏。続けて、こう語った。

「牧場としてステップアップするためには、とにかくいろいろな人とのコネクションを強力にすることが大切。こういうゲストルームがあれば、きっとお客さんも喜んでくれると思います。それは当然、牧場のためになるでしょう」

 ひとつひとつのゲストルームは、スウィーニィ氏の言うとおり、バイヤーに向けて作られた豪華なもの。各部屋には立派なシャワールームとトイレが完備されていて、窓から見える牧場風景も美しい。観光地の高級ホテルのよう、と言っても決して大げさではないほどだ。

 残り半分のスペースは、スタッフやパカパカファームに来る研修生のための施設になっている。

「毎年1月から8月の末まで、アイルランドの大学から研修生たちが牧場にやって来ます。その際に必要となるのは、彼らが住む場所。それで、小学校の残り半分は研修生のための寮にしました。実際、今年来た研修生たちはこの寮に入って、生活していました。居心地が良かったのか、みんな、すごく喜んでくれていましたよ」

 ヨーロッパの大学には『エクワインサイエンス(馬科学)』という学科があり、そこに所属する学生は、半年ほどの実地研修が必要となる。パカパカファームでは、研修先として学生たちを毎年受け入れており、旧・賀張小学校はそんな研修生の学生寮としても活用されているのだ。

「研修生の部屋は、全部で8つ。研修生の部屋が豪華過ぎるのは問題がありますから、ゲストルームに比べるとちょっと地味な部屋でしょ(笑)。でも、この施設があるので、来年のパカパカファームへの研修申し込みは増えているんですよ」

 研修期間中、学生たちは牧場での作業に加え、スウィーニィ氏による競走馬の生産や、馬の管理、手入れなどに関する講義を受ける。「講義をする部屋は、もともとの『校長室』です」とスウィーニィ氏。確かに、校長室の札がかかった部屋には、講義を行なった形跡を残したホワイトボードがあった。