【競馬】菊花賞は荒れる。過去の傾向から厳選する穴馬5頭 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

 今年の出走予定馬にダンスインザダーク産駒はいないが、やはり長距離血統には気を配りたい。その観点から見て侮れないのが、ショウナンラグーン(牡3歳/父シンボリクリスエス)。母の父は2001年の菊花賞馬マンハッタンカフェで、同馬は種牡馬になってからも、2011年の天皇賞・春(京都・芝3200m)を制したヒルノダムールなど、長距離の得意な産駒を出している。

春には青葉賞を制して、ダービー(6着)出走を果たしたショウナンラグーン。春には青葉賞を制して、ダービー(6着)出走を果たしたショウナンラグーン。 また、ショウナンラグーンの祖母はGIを5勝したメジロドーベル。「メジロ」と名の付く軍団と言えば、メジロマックイーンなどの名ステイヤーを次々に出してきた名門で、メジロドーベルもその伝統的な血脈の中で生まれた"女王"。ショウナンラグーンを管理する大久保洋吉調教師も、「3000mでも距離が足りないぐらいに思っている」と話しており、メジロの血を継ぐ同馬が、長距離戦で飛躍することは十分に考えられる。

 ダンスインザダークを父に持ち、伏兵として菊を制したスリーロールスとデルタブルース。この2頭には、他にも共通点がある。それは、菊花賞への臨戦過程。ともに、本番前のトライアル戦には出ず、1000万下の"下級クラス"を快勝、その勢いでGIを制した。

 特にスリーロールスについては、1000万下とはいえ、2着を4馬身も突き放す圧勝で菊花賞に向かっている。成長をうかがわせる勝利にもかかわらず、本番で人気が上がらなかったのは、「あくまで下級クラスを勝ったに過ぎない」という評価にとどまってしまったことだ。しかし、この2頭の勝利を見ると、下級クラスから直接挑む馬も無視できない。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る