【競馬】手嶋龍一氏が語る、ハープスター凱旋門賞挑戦の陰に

  • 土屋真光●取材・文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 千葉 茂●photo by Chiba Shigeru

 外交ジャーナリスト・作家として、多くの著作やテレビ番組でお馴染みの手嶋龍一氏(※1)だが、もう一つ競馬人としての顔があることを知らない人も多いだろう。一般の競馬ファンも競走馬を持てるクラブ法人「キャロットクラブ」の代表になって、もう6年になる。内外で数多くのGI馬を輩出してきた日本を代表する愛馬会である。この秋は、3歳牝馬ハープスターが日本で調教を済ませた馬としては、初めて凱旋門賞に挑戦する。

ハープスターを所有するキャロットクラブ 代表・手嶋龍一氏ハープスターを所有するキャロットクラブ 代表・手嶋龍一氏

(※1)手嶋龍一 外交ジャーナリスト・作家。元NHKワシントン支局長。9・11同時多発テロ事件に際しては11日間にわたり、24時間連続放送を担い、その冷静で的確な分析は視聴者の圧倒的な支持を得た。近著は『知の武装』(新潮新書)

「我が家を担当してくれているクロネコの配達の人が熱心な競馬ファンで、ある時、家族に『キャロットクラブの代表に手嶋龍一さんという人がいるのですが、ご主人と同姓同名なんですよ』と教えてくれたと言います(笑)。しばらくして外交ジャーナリスト・作家と同一人物だと納得したようです。『僕も凱旋門賞に行きたいなあ。奥さんは正月もずっと東京でしたから、パリに連れて行ってもらうんでしょう』と。クロネコ氏は我が家の実情にも通じているんです。おかげでロンシャン競馬場で淑女がかぶる羽根つきの帽子を新調されられました。クロネコ畏るべし(笑)」

 NHKの海外特派員としてキャリアを積み、独立後も報道の最前線にたつ外交ジャーナリストが、なぜ「キャロトクラブ」の代表に就任することになったのだろう。そのきっかけはひょんな出来事にあったらしい。

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