【競馬】カタールの殿下がクラシック参戦を期待する逸材 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 関西競馬専門紙のトラックマンが、キングパールに対する陣営の「期待度の高さ」を口にする。

「栗東トレセンに入って来たときから、陣営は『クラシックを意識できる』としきりに言っていましたね。7月にゲート試験を合格したあとは、一度放牧に出して、その後トレセンに戻ってからはじっくり乗り込まれています。早いタイムを出すのはまだこれからでしょうが、動きは確実によくなっていますね」

 セレクトセールにおけるキングパールの落札価格は、9000万円。母ピンクパピヨンの産駒は重賞勝ちこそないものの、中・長距離戦でコンスタントに結果を出しており、それがこれほどの高値を生んだと言えるだろう。

 何より、キングパールと父が同じ全兄のカフナ(牡/2010年~2014年に活躍。2014年のGIII小倉大賞典2着)は、中・長距離の重賞戦線で活躍。一族の出世頭となったことから、配合的な裏付けが十分であることは間違いない。前述のトラックマンもその点を強みに挙げる。

「とにかく確実に走ってくる血統なので、陣営としては焦らずじっくりやっているようです。とはいえ、馬はある程度仕上がってきているので、順調にいけば9月の阪神開催あたりでデビューするのではないでしょうか。距離は兄と同様、2000m以上が合うでしょうね」

 今年から、馬主として日本競馬に参戦するファハド殿下。世界的に脚光を浴びるオーナーは、初年度から存在感を見せることができるのだろうか。デビューの近づくキングパールが、そのカギを握っている。

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