【競馬】トレセンで評価高まる、名牝ビリーヴの娘 (2ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara

 唯一の気がかりは、兄たちの競走成績が今ひとつ芳しくないこと。ビリーヴの初子であるファリダット(父キングマンボ)こそ、GI安田記念(東京・芝1600m)で3着になるなど、短距離戦線で息の長い活躍を見せたが、その他の3頭は際立った結果を残していないのだ。

 しかし前述のトラックマンが、その点はさほど心配しなくていいと言う。

「ファリダット以外は、デビュー前の調教であまり動けていませんでした。そういう意味で、この馬の水準以上の調教は、きっとレースにつながると見ています。また、ビリーヴの子としては初めての牝馬。馬の様子を見る限り、それもいい方向に出ていると思いますね」

 父メダグリアドーロは日本ではあまり知られていないが、種牡馬デビューしてすぐに、アメリカのGIを5勝した牝馬レイチェルアレクサンドラを輩出。その後もコンスタントに活躍馬を出して、アメリカでは高い評価を得ている種牡馬だ。その未知なる能力も魅力のひとつとなる。

 異国の地で繁殖生活を送るビリーヴ。その血を引く初の"娘"フィドゥーシアは、日本で母譲りのスピードを見せることができるのか。デビュー戦が楽しみだ。

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