【競馬】宝塚記念に乗り替わりで挑む「3強」の明暗 (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • photo by Nikkan sports

 2頭に対し、文字通り「未知数」の乗り替わりとなるのがゴールドシップ。同馬は今回、初コンビとなる横山典弘騎手とともに、宝塚記念の連覇を目指す。

 ゴールドシップは、現役屈指の気難しさを持つ“個性派”。スタート後にダッシュがつかず、後方に下がってしまうのも、馬が騎手の指示を受け入れないからと言える。昨年の宝塚記念を制したあとはリズムを崩し、前走の天皇賞・春もスタートで出遅れて7着。厳しい戦いが続いている。

 いかにゴールドシップのやる気を引き出し、前半から先行させられるか。それができれば、復活も可能なはずだ。

 そこで白羽の矢が立ったのが、ベテランの横山典騎手。後方から追い込む印象の強い横山典騎手だが、反面、それまで後方から追い込んでいた馬を先行させて勝利を手にしたことも多い。今年の日本ダービーを制したワンアンドオンリー(牡3歳)や、3月の中山記念を快勝したジャスタウェイ(牡5歳)などの乗り方がまさにそう。その馬の新たな一面を引き出して、鮮やかな勝利を飾ったレースがいくつもある。

 横山典騎手は、2週前からゴールドシップの調教に騎乗。その様子について、前述のトラックマンはこう語る。

「初めて乗った2週前の調教では、少し物足りなそうにしていましたが、先週の調教では『これで本番までに変わってくる』と手応えをつかんだようです。クセのある馬とうまくコンタクトをとる騎手ですから、この人馬はマッチするかもしれません。ゴールドシップを管理する須貝尚介調教師も、『同じ騎手が乗ると馬がズルくなるので、騎手は変わったほうがいい』と言っています。爆発するなら、このコンビでしょう」

 安定感なら、ウインバリアシオンと岩田騎手。未知なる魅力があるとすれば、ゴールドシップと横山典騎手か。もちろん、ジェンティルドンナと川田騎手にも、実績と意地がある。はたして勝利をつかむのは、どの「人馬」だろうか。

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