【競馬】復活ワールドエース。安田記念で示す「真骨頂」 (2ページ目)

 前述した昨秋のマイルCSの勝ち馬で、現時点では「ベストマイラー」と言えるトーセンラーも有力馬の一頭です。

 ただ、ひとつ懸念されるのは、東京コースで開催された前哨戦(京王杯SC=5月17日/東京・芝1400m)を使えなかったこと。なにしろ、東京コースは3歳春(2011年)に2戦(着外2回)して以来となるからです。マイルCSが行なわれた京都コースでは好成績(10戦4勝、2着2回、3着3回、着外1回)を残していて、軽い芝が合うタイプ。同じような芝の東京コースでも力は発揮できると思いますが、同コースは左回りで、直線に坂があります。本番前にそこでの真の適性を確認できなかったのは、やはり気がかりです。

 3歳マイル王のミッキーアイルも、侮れません。NHKマイルCのとき(5月10日配信。「マイルCで本命ミッキーアイルに迫る『特注馬』とは?」)にもお伝えしましたが、同馬は単なる逃げ馬ではありません。他の馬とはスピードの次元が違うため、ハナに行っているだけ。本質的には差す脚も持っていて、ここでも十分に勝負になると思います。

 前走のNHKマイルCでは、予想以上にテンションが上がっていたため、いつものようなスタートを切れず、その分、前半に脚を使ってしまいました。結果、2着馬(タガノブルグ/牡3歳)にクビ差まで詰め寄られましたが、内容的には完勝だったと言えるでしょう。

 今回は古馬との戦いで、しかもGI馬ばかりがそろったハイレベルなメンバーが相手。前走のような競馬では厳しい戦いを強いられそうですが、古馬の斤量58kg(牝馬は56kg)とは4kg差あって、前走の57kgからも3kgも軽い斤量で臨めるのは、相当なプラス材料です。あとは、当日落ち着いていることと、スタートを決められるかどうか。好結果を出すためには、その辺がカギになるでしょう。

悲願のGI制覇を狙う「素質馬」ワールドエース。悲願のGI制覇を狙う「素質馬」ワールドエース。 こうした有力馬に対抗する今回の「ヒモ穴馬」には、競走馬にとって不治の病と言われる「屈腱炎(くっけんえん)」を克服し、見事復活を果たしたワールドエース(牡5歳)を指名したいと思います。

 ワールドエースは、一昨年の日本ダービー(4着。2012年5月27日/東京・芝2400m)で1番人気に推されたほど。皐月賞(2012年4月15日/中山・芝2000m)では2着と、それまでの実績からしても、GI級の素質馬であることは間違いありません。

 ダービーから1年8カ月ぶりのレースとなった白富士S(2月1日/東京・芝2000m)では、伸び脚に物足りなさを残して、5着に敗れました。しかし前走のマイラーズC(4月27日/京都・芝1600m)では、早めに抜け出して、そのまま押し切るという強い競馬で快勝。しかも、京都・芝1600mのレコードタイム(1分31秒4)というおまけつきでした。

 意外なマイル適性の高さと、GI級の力があるところを改めて見せつけたワールドエース。強力なメンバーを相手にしても、十分に通用すると思っています。また、屈腱炎は、いつ再発するかわかりません。それだけに、陣営としてもこのチャンスは是が非でもモノにしたいところでしょう。ダービーを勝てなかった鬱憤(うっぷん)を、ここで晴らしてもおかしくありません。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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