【競馬】安田記念で波乱を起こす、驚異の「香港マジック」 (2ページ目)

  • 土屋真光●文 text&photo by Tsuchiya Masamitsu

 ダービーウィークの土曜(5月31日)、日曜(6月1日)の芝レース(計11レース)は、安田記念当日と同じCコースを使用して行なわれたのだが、ディープインパクト産駒は7つのレースに計15頭が出走し、一頭も勝ち星を挙げることができなかった(2着が2頭)。2年連続で産駒が優勝しているダービーでも、今年はベルキャニオン8着、ワールドインパクト10着、サトノルパン14着、トーセンスターダム16着と、4頭すべてが馬群に沈んだ。

 これが、並の種牡馬であれば何ら問題にならないが、今年も産駒の勝率が約12%(昨年は約13%)という高い数字を誇るディープインパクト。本来15頭出走していれば、1頭か2頭は勝ち星を挙げていてもおかしくないが、未勝利に終わっている。2日間の結果とはいえ、今の東京芝コースはディープインパクト産駒にとって、かなり不利な条件にあると思われる。

 さらに、関東地方が梅雨入り。週末も雨模様が続くと予想され、さらに不確定な要素が増える見込みだ。すなわち、波乱が起きてもおかしくない、ということである。

追い切りで軽快な走りを見せたグロリアスデイズ。追い切りで軽快な走りを見せたグロリアスデイズ。 そんな波乱の使者となり得るのが、香港からやってきた"刺客"グロリアスデイズ(せん7歳)だ。一昨年14着、昨年11着と惨敗しているものの、三度目の正直を狙って果敢に来日してきた。

 年齢は日本の表記では7歳となるが、南半球生まれのため、実際は6歳後半。昨年の安田記念以降は、3回しかレースを使っていないため、馬もまだ若々しさを保っている。その証拠に、昨年末にはGI香港マイル(12月8日/香港・芝1600m)を鋭い末脚で制した。

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