【競馬】血統馬2騎が逆襲。池江調教師が語る「ダービーこそ最大目標」 (3ページ目)

  • 土屋真光●文 text by Tsuchiya Masamitsu
  • 村田利之●写真 photo by Murata Toshiyuki

 2011年のダービー、のちに三冠馬(皐月賞、ダービー、菊花賞)となるオルフェーヴルの勝利で、池江調教師は史上最年少の“ダービートレーナー”となった。以来、毎年のように、管理馬をダービーで好走させている。池江調教師は、ダービーを戦う“肝”となるものをつかんでいるのかもしれない。ダービーをピークと考えたとき、特にトーセンスターダムの、きさらぎ賞(2月9日/京都・芝1800m)から皐月賞、そしてダービーという、ゆったりとしたローテーションは、明らかに積み重ねた経験の中で見出したものだろう。

 池江調教師が語っていたとおり、トゥザワールドとトーセンスターダムには、2400m戦に向けての血統面での後押しもある。トゥザワールドの父キングカメハメハ、トーセンスターダムの父ディープインパクトは、ともにダービー馬。とりわけ、ディープインパクトは、ここ2年連続で産駒がダービーを制している(2012年ディープブリランテ、2013年キズナ)。さらにトゥザワールドの母トゥザヴィクトリーは、オークス(東京・芝2400m)2着馬。トーセンスターダムの叔父には、天皇賞・秋(東京・芝2000m)を制して、ジャパンカップ(東京・芝2400m)2着のトーセンジョーダンがいる。

 また、トゥザヴィクトリーは池江調教師が調教助手として、トーセンジョーダンは調教師として管理してきた馬。トゥザワールド、トーセンスターダムに通じる血統に携わってきた経験も大きなアドバンテージと言えるだろう。

「(ダービーに向けて)2頭とも思い描いたとおりにきています。仕上がりとしては十分。皐月賞よりも前進がありそう。体の張りも、ともによくなってきている。やはり、ダービーは最大目標ですので」

 1週前追い切りを終えて、改めてダービーへの手応えを語った池江調教師。

「ダービーは、何度だって勝ちたい」

 以前、そんなことを漏らしたことがあるが、それはダービーを勝った者だからこそ、発せられる言葉だ。迫る決戦の舞台。捲土重来を期す“ダービートレーナー”の手腕に注目したい。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る