【競馬】天皇賞・春、「3強」に割って入る馬はいるのか (2ページ目)

 昨年の天皇賞・春では、単勝1.3倍という圧倒的1番人気に推されながら、馬券対象から外れる5着に敗れました。その敗戦に加えて、昨秋の京都大賞典(2013年10月6日/京都・芝2400m)でも、同じように1番人気で5着と沈んで、同馬は「力のかかる馬場向きで、時計の速い京都は向かない」と見られているようです。

 確かに、高速馬場の京都の実績(3戦1勝、着外2回)は乏しいのですが、前走の勝ちっぷりは、そのマイナス要素を覆(くつがえ)すだけのインパクトがありました。これまでの勝ち方とも違って、今まで眠っていたものが目覚めたような迫力がありましたし、実は"真"のゴールドシップの強さを見せるのはこれから、といった雰囲気をかもし出していました。

 鞍上を務めるのは、ウィリアムズ騎手。脚質的にも手が合いそうですし、不安はないでしょう。

強敵相手に一発を狙うラストインパクト。強敵相手に一発を狙うラストインパクト。 さて、「3強」にまともに走られたら、その間に割って入るのは容易ではありませんが、名門・松田博資厩舎の管理馬、ラストインパクト(牡4歳)ならばその可能性があると見込んで、今回の「ヒモ穴馬」に取り上げたいと思います。

 この馬のデビューからのローテーションを見てみると、いかにもクラシック、それも「ダービーを意識しているな」と思える使い方をしていました。ただ、ポイントとなるレースで2回2着に敗れて、トライアルの青葉賞(2013年4月27日/東京・芝2400m)でも僅差の3着。ダービー出走は叶わず、3歳春はちょっと運がありませんでした。

 それでも秋は、最大目標となる菊花賞(2013年10月20日/京都・芝3000m)に駒を進めました。そしてその菊花賞では、本命エピファネイアを負かしにいって4着。勝ったエピファネイアには大差をつけられましたが、内容は決して悪くありませんでした。18頭中17番枠という大外からの発走だったことを考えればなおさらです。京都の3000mはスタートしてすぐに3コーナーを迎え、それも下り坂。外枠の場合、折り合いをつけるのがとても難しいですからね。

 菊花賞後は休養し、年明け初戦は1600万下の松籟S(2月2日/京都・芝2400m)でした。休み明けながら難なく勝利を飾ると、続く小倉大賞典(2月23日/小倉・芝1800m)で初の重賞制覇。相手が弱かったとはいえ、成長を感じさせる圧勝劇でした。

 前走の日経賞(3着)ではウインバリアシオンにちぎられましたが、内で我慢する競馬ができたのは収穫。鞍上の川田将雅騎手も、天皇賞・春を見据えての騎乗だったと思います。上位陣に何かあれば、馬券圏内に飛び込んできても不思議はありません。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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