【競馬】川田将雅が明言「トゥザワールドは勝たなければいけない馬」

  • 新山藍朗●構成 text by Niiyama Airo
  • JRA●写真

――その当時と比べて、トゥザワールドがもっとも成長しているな、と感じている部分はどこですか。

「何よりも、レースで動けるようになったこと。(馬体重500kgを超える)あれだけ大きな馬ですから、なかなか思うように体を使えないということが多いのですが、レースを経験しながら、徐々に体を使えるようになってきた。その分、レースでも自在に動けるようになりました。そこに、一番の成長を感じますね」

――デビュー戦の馬体重が508kg。弥生賞のときは、518kgでした。さらに体が大きくなっていても、動きはよくなっているんですね。

「馬体重は増えているけど、太ってきたわけではなくて、(体の)中身は逆に締まってきているんです。その点でも、成長を感じます」

――トゥザワールドのもっとも優れている点を挙げるとしたら、どの辺りになりますか。

「“賢い”ところですね。普段も、レースにおいても、無駄なことをしない。いつもどっしりと構えていて、性格も穏やか。それが、競馬になると、ピリッとする。オンとオフの使い分けがしっかりとできているんです。しかも、レースの流れがどうなっても、きちんと対応できる。本当に賢い馬だと思います」

――皐月賞では、おそらく本命視されると思いますが、勝算はありますか。

「有力馬がとても多くて、厳しい競馬になると思いますが、トゥザワールドは競馬が上手で、前からでも後ろからでも、どんな競馬もできますからね。勝算というより、結果を出さなければいけない馬だと思っています」

――皐月賞のあと、ダービーに向けてはいかがですか。

「どんなレースにも対応して、これだけうまく走れる馬ですから、距離が延びるのは、問題ないと思っています。それに、一戦、一戦、課題をクリアしてここまで来ましたからね。僕にとっても、今年は(ダービージョッキーになる)大きなチャンス。それだけの馬に乗せていただいていると思っています」

――それにしても、今年は牝馬のハープスター、牡馬のトゥザワールドと、牡牝ともに世代トップを争う強い馬が、川田騎手のパートナーになりました。期待が膨らみますね。

「これほどの馬たちに、新馬からずっと乗せていただくというのは初めてのことなので、とても光栄で、ありがたいことだと思っています。ただ、僕も今年で(騎手生活)11年目。これまでボーッと過ごしてきたわけではありません。ひとつ、ひとつ、一生懸命やってきた結果が、今につながっているのだと思います。かといって、現在が頂点というわけでもありません。さらに上に行くためには、もっともっと結果を出し続けなければいけないし、その意味でも、こうしていい馬に乗せていただいている今が、すごく大事だと思っています」

――ありがとうございました。川田騎手のご健闘を祈っています。

  川田将雅(かわだ・ゆうが)
1985年10月15日生まれ。佐賀県出身。近年メキメキと力をつけてきた中堅騎手。今年は現在(4月14日時点)全国リーディング1位(43勝)。JRA通算756勝。重賞30勝(うちGI4勝=2008年皐月賞:キャプテントゥーレ、2010年菊花賞:ビッグウィーク、2012年オークス:ジェンティルドンナ、2014年桜花賞:ハープスター)

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