【競馬】桜花賞、本命ハープスターの逆転候補はいるか (2ページ目)

 ライバルとなるのは、阪神JFで実際にハープスターを退けたレッドリヴェール(牝3歳)。出走馬中、唯一の無敗馬(3戦3勝)で、牡馬相手に重賞を制し、GI馬でもあります。その実績は、ハープスターにも勝ります。

 12月の阪神JF以降、トライアルを使わずにぶっつけで桜花賞に向かうのはやや疑問ではありますが、それまでも2~3カ月、間隔をあけてレースを使ってきました。そのほうがいいタイプなのでしょう。事実、1回(レースを)使うことで、異常にテンションが上がってしまう馬などもいますからね。

 馬体重420kg前後の華奢な体ですから、使い詰めするのも厳しいのかもしれません。結局、小柄ながら爆発力のある競馬を見せられるのも、十分な休養をとっているからこそなのでしょう。ただ、そうすると、次のオークス(5月25日/東京・芝2400m)では、レース間隔がおよそ1カ月半しかないことが課題になりそうですね。牡馬相手のダービー(6月1日/東京・芝2400m)出走も視野に入れているそうですが、いずれにせよ、次走に向けてはどれだけ馬体を維持できるかがポイントになるでしょう。

 阪神JFで3着だったフォーエーバーモア(牝3歳)も、ハープスターのライバルと言えるでしょう。年明け初戦のクイーンC(2月18日/東京・芝1600m)を横綱競馬で勝利。2着馬との着差は僅差(クビ)でしたが、その内容は完勝で、確かな成長が感じられました。レースセンスが抜群で、展開に左右されない点は、ハープスターに比べて優位です。どこまで迫れるか、というか、ハープスターの追撃をどこまで凌げるか、注目です。

トライアル戦で差す競馬を覚えたベルカント。トライアル戦で差す競馬を覚えたベルカント。 さて、今回の桜花賞の「ヒモ穴馬」には、前走のトライアル戦、フィリーズレビュー(3月16日/阪神・芝1400m)で、これまでとは一転して、差す競馬で勝ったベルカント(牝3歳)を取り上げたいと思います。

 新馬戦(2013年8月3日/小倉・芝1200m)から、持ち前のスピードを生かした「逃げ」で成果をあげてきたベルカント。牡馬相手に果敢に挑んだGI朝日杯フューチュリティS(12月15日/中山・芝1600m)でも、10着に敗れたとはいえ、そのスピードを存分に生かす競馬を見せました。

 ゆえに前走も、戦前は「ハナに立つのはこの馬」と見られていました。ところが、鞍上の武豊騎手は1枠1番という最内から好スタートを決めながら、"あえて"控える競馬を選択しました。それまで、逃げて結果を出してきた馬を控えさせて、しかも馬込みで我慢させるというのは、本当に難しいこと。トライアルだからこそ試せたことでしょうが、それで実際に結果を出してしまう名手の手綱さばきは、本当にお見事でした。

 内で脚をためて、内から差し切る競馬でしたが、非常に狭くて厳しいところを突いてきました。この結果から、陣営は本番の桜花賞に向けて、かなりの手応えを感じたのではないでしょうか。トライアル戦という場で、その価値を存分に生かして、最良の結果を得たベルカント。一発を期待したくなりますね。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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