【競馬】スプリングSは、ロサギガンティアが決め手争いを制す! (3ページ目)

 ところが、2戦目の未勝利戦(10月6日/東京・芝1600m)では、その馬込みから、しかも他馬に外から寄せられるシーンがありながらも、きっちり抜け出して快勝しました。そして、3戦目のベコニア賞(2着。11月24日/東京・芝1600m)も、前走の500万下(1着。2月2日/東京・芝1800m)も、馬込みの中で我慢させられる競馬を強いられましたが、前が開いてからはスパッと切れる脚を使って抜けてきました。

 特に前走は、残り300m地点を迎えても、前を馬群の壁にふさがれていました。それを見て「さすがに厳しいな」と思ったのですが、残り200mで進路ができると、最後は2着に1馬身以上の差をつけて完勝。決してメンバーに恵まれたわけではなかったので、あの切れ味には本当に驚かされました。

 今回はトリッキーな中山コースですが、これほどの瞬発力があれば、かえってプラス材料になるのではないでしょうか。しかも鞍上は、馬主である社台ホースレースの勝負ジョッキー、ミルコ・デムーロ騎手。「何が何でもクラシックの権利をとる」という意気込みがうかがえます。

 そういえば、この馬も前述のイスラボニータと同じフジキセキ産駒。ディープインパクト産駒全盛の時代にあって、同じサンデーサイレンス産駒でもフジキセキは同馬の初年度産駒。そんなフジキセキの産駒が、今頃“旬”を迎えると思いませんでした。この世界にいるとこんな現象がままあるんですが、これもまた「ブラッドスポーツ」と言われる競馬の面白いところですね。

大西直宏も実際に買うという衝撃の穴馬とは?
スプリングS【穴の勝負馬券】無料メール配信!!

プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る