【競馬】春のクラシックは、2014年もディープ産駒が「主役」 (3ページ目)

  • 新山藍朗●文 text by Niiyama Airo
  • 山根英一/アフロ●撮影

 ともあれ、今春のクラシックへの戦いが本格化するのはこれから。登竜門となるレースが目白押しで、牝馬、牡馬ともにますます熾烈な争いが繰り広げられていくはずだ。

 第一、牝馬にはまだ大物が控えている。女傑ブエナビスタを姉に持つ、サングレアルだ。デビュー戦(11月30日/阪神・芝1600m)を快勝し、今後は1月5日に行なわれる500万下の福寿草特別(京都・芝2000m)に出走予定。同レースの結果次第では、レッドリヴェール、ハープスターの「2強」に割って入る新勢力として、俄然注目を集めるに違いない。

 牡馬も、「2強」候補であるトゥザワールドに新馬戦で圧勝しているバンドワゴンをはじめ、抽選漏れした朝日杯FSに「出走していれば勝てた」と言われているミッキーアイル、さらにリーディングジョッキーの福永祐一騎手がその素質を絶賛しているガリバルディなど、重賞勝ちはなくとも期待の実力馬が控える。先の「2強」候補を含めて、1月~3月にかけて行なわれるクラシックの前哨戦で、おのおの頭角を現してくるだろう。

 こうしてみると、2014年のクラシック戦線も、主役となるのはディープインパクト(以下、ディープ)産駒と言えそうだ。牝馬ではハープスター、牡馬ではトーセンスターダム、ミッキーアイル、ガリバルディ、そしてラジオNIKKEI杯では敗れたものの、まだ見限れないサトノアラジンが、同産駒。ディープも種牡馬4年目を迎えて、いよいよクラシック馬を多数輩出した偉大なる父サンデーサイレンス(以下、SS)の域に達した感がある。

 実際、それぞれの種牡馬1年目から3年目までの春のクラシック実績を振り返ってみると、SSは1年目に3頭(ジェニュイン=皐月賞、ダンスパートナー=オークス、タヤスツヨシ=ダービー)、2年目に1頭(イシノサンデー=皐月賞)のクラシック馬を輩出。3年目は0頭だった。

 対してディープは、1年目に1頭(マルセリーナ=桜花賞)、2年目に2頭(ジェンティルドンナ=桜花賞、オークス、ディープブリランテ=ダービー)、3年目に2頭(アユサン=桜花賞、キズナ=ダービー)のクラシック馬を送り出してきた。ここまでの実績では、偉大なる父に並ぶどころか、頭数も勝利数も上回っているのだ。

 やはり今年もディープ産駒の動向からは目が離せない。そして、2014年春のクラシックも「ディープ産駒vs非ディープ産駒」もしくは「ディープ産駒vsディープ産駒」という図式で展開されるに違いない。

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