【競馬】ゴールドシップの「素顔」に見えた、有馬記念での復活劇 (3ページ目)

  • 河合力●文 text by Kawai Chikara
  • 山根英一/アフロ●撮影

 ジャパンカップでゴールドシップが喫した屈辱的な敗北。常識的に考えれば、それから1カ月後の有馬記念で復活するのは簡単ではない。しかし、前走の凡走が自身の闘争心によるものなら、ここで一変する可能性がないとも言えない。頭の良いゴールドシップだからこそ、何かをきっかけにもう一度戦う姿勢を取り戻すこともあるはずだ。

「中山競馬場は、GIを2勝(皐月賞、有馬記念)している得意コース。ゴールドシップが復活するには、一番の舞台だと思うんです。私たち吉澤ステーブルにとっても、ゴールドシップは大切な馬。得意の舞台で復活することを、スタッフみんなで祈っています」(広島氏)

 生まれ故郷の出口牧場も、強いゴールドシップが戻ってくることを望んでいる。

「最初はGIをひとつ勝ったことだけですごいと思っていたのが、すでにGIを4勝。ゴールドシップはもう十分過ぎるほど活躍してくれました。それでも、やはり少しでも長く活躍してもらいたいのが本音。ゴールドシップが勝ってくれると、日高地方の牧場も活気づきますから。有馬記念当日は、『復活してほしい』という一心で声援を送ります」(出口氏)

 小さな牧場で生まれ、GI4勝の名馬となったゴールドシップ。その馬に携わってきた多くの人が、そして全国のファンが「もう一度強さを取り戻してほしい」と願っている。その願いが届くことを期待して、12月22日の決戦を待ちたい。

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