【競馬】朝日杯FS、最後の中山開催で武豊が奇跡を起こす (3ページ目)

 もちろん、ベルカントにも課題はあります。1200m、1400m戦しか経験がなく、今回が初のマイル戦。そして、これまで逃げて結果を出してきましたが、このレースは流れが速くなりやすく、前に行く馬にとっては厳しい展開が予想されます。ただそうした試練も、ベルカントなら克服できると思っています。2走前の小倉2歳S(2着。9月1日/小倉・芝1200m)を見たときに、実は控えても競馬ができるのではないかと思ったからです。

 普通、逃げ馬というのは、前に馬がいると怖がったり、プレッシャーを感じたりするものですが、ベルカントは小倉2歳Sのときに、4コーナーで馬場のいい外へ出したあと、インコースをすくっていった馬たちに食らいついて差し返して見せたのです。おそらく、スピードの違いでハナを切っているだけで、前に馬がいても問題なく走れるでしょうし、速い流れになれば控えることもできるのではないでしょうか。

 鞍上は、武豊騎手です。JRAのGI全22レース中、勝っていないのは、この朝日杯FSだけ。これまでに勝っていないのが不思議なくらいで、2着は過去に3回もあって、すべてコンマ1秒以内の僅差でした。

 そもそも、武豊騎手が初めて朝日杯FSにチャレンジしたときも(1994年)、2番人気のスキーキャプテンに騎乗して、勝っていてもおかしくありませんでした。そのとき、大外から差していったスキーキャプテンをクビ差抑えて勝利したのが、最内から綺麗に抜け出してきた1番人気のフジキセキ。同馬の手綱を取っていたのは、武豊騎手が今回騎乗するベルカントを管理している角田晃一現調教師です。

 そんな因縁のあるふたりが、今回タッグを組んで朝日杯FSに挑みます。そこに、何か運命的なものを感じるのは、私だけではないと思います。

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プロフィール

  • 大西直宏

    大西直宏 (おおにし・なおひろ)

    1961年9月14日生まれ。東京都出身。1980年に騎手デビュー。1997年にはサニーブライアンで皐月賞と日本ダービーの二冠を達成した。2006年、騎手生活に幕を閉じ、現在は馬券を買う立場から「元騎手」として競馬を見て創造するターフ・メディア・クリエイターとして活躍中。育成牧場『N.Oレーシングステーブル』の代表も務め、クラシック好走馬を送り出した。

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