【競馬】エリザベス女王杯、うま味は「人気薄」のハナズゴール

 牡馬混合の大阪杯(6着。3月31日/阪神・芝2000m)を叩いてヴィクトリアマイルに臨んだように、今回もステップレースには牝馬路線ではなく、京都大賞典(8着。10月6日/京都・芝2400m)を選んできました。牡馬混合の重賞、それも大阪杯や京都大賞典と言えば、牡馬トップクラスが参戦し、牝馬にとっては厳しい結果に終わることが予想されます。それでも、あえて出走するということは、過酷なレースを経験し、成長をうながす意味があるのでしょう。実際、ヴィクトリアマイルでは結果が出ているだけに、今回も期待が持てそうです。

 鞍上は、前走・京都大賞典で、3歳時のクイーンC(1着。2012年2月11日/東京・芝1600m)以来、久しぶりに手綱をとった岩田康誠騎手が引き続き務めます。その前走、積極的にハナを切ったものの、3コーナー辺りで後続に早めに詰め寄られてしまいました。しかしそこは我慢して控え、1番人気のゴールドシップ(牡4歳)の仕掛けに合わせて追い出すという、自在の競馬を見せました。結果は8着でしたが、立場を考えれば、上々の内容だったと思います。岩田騎手も成長したヴィルシーナに対する感触を十分につかんだでしょうし、本番でもいい競馬を見せてくれるのではないでしょうか。

GI級の末脚を秘めているハナズゴール。GI級の末脚を秘めているハナズゴール。 ところで、今回の「ヒモ穴馬」ですが、関東馬のハナズゴール(牝4歳)を取り上げたいと思います。

 今年はすでに6戦を消化。しかも、オープン特別の芝1400m戦から牡馬混合重賞の芝2200m戦まで、いろいろな条件のレースを走っています。普通に考えれば、この使い方には疑問を持つ人も多いのではないでしょうか。確かに最近は結果も出ていないので、そう思っても仕方がありませんが、この馬の持つ鋭い決め手は、GIを勝てるだけのものがあります。出来さえ戻れば、いつGIを勝ってもおかしくないと思っています。

 ここ数戦、この馬の適性と仕上げ方に関して、陣営が試行錯誤しているように見えました。それでも今回は、GIの舞台だけあって、いちばん成績が出ていたときと同じように、早くから栗東(関西のトレーニングセンター)に入厩して調整する方法をとってきました。強いハナズゴールの復活があっても不思議ではありません。

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