【競馬】秋華賞、トリッキーなコースで波乱を演出する穴馬とは? (2ページ目)

 さて、今年の秋華賞で1番人気が予想されるのは、前哨戦のローズS(9月15日/阪神・芝1800m)を快勝したデニムアンドルビー(牝3歳)です。ローズSのレースぶりも見事でしたが、春の未勝利戦(3月31日/阪神・芝2000m)や、フローラS(4月21日/東京・芝2000m)の勝ちっぷりも強烈でした。GIを勝てる器だと証明するに相応しい内容だったと思います。

 ところが、勝つと思われたオークス(5月19日/東京・芝2400m)では3着止まり(1着メイショウマンボ)。フローラSで下したエバーブロッサム(牝3歳)にさえ、先着(2着)を許してしまいました。確かに、当時は1カ月以内に関西から東京までの長距離輸送が2回ありました。そのうえで東京の芝2400mというタフなコースで競馬をするのは、若駒の3歳牝馬には厳しい条件でしたが、トライアルよりもパフォーマンスを落としていたことは、ちょっと残念で、気になるところでしたね。

 今回は、京都開催なので長距離輸送はありませんが、トライアルのローズSは台風の影響を受けて極悪馬場で行なわれました。非常にタフなレースだったので、勝ったデニムアンドルビーには、その疲労がまだ残っているかもしれません。再び、トライアルよりもパフォーマンスを落とす可能性は十分にあります。

 まして、デニムアンドルビーは器用な脚を持っていません。勝ちを意識して乗るのが難しいコースで結果を出すのは、展開やペース、コース取りなど、いろいろな条件がはまらなければ、かなり厳しいと思います。そういう意味では、内田博幸騎手がどんな乗り方をするのかが興味深いところ。そこは、注目して見てみたいですね。

 そんなデニムアンドルビーとは対照的な存在なのが、スマートレイアー(牝3歳)です。スタートしてスッと好位につけて折り合うことができ、しかも仕掛けると即反応し、加速していく器用な脚があります。トリッキーなコースで、この器用な脚は大きな武器になるでしょう。

 スマートレイアーがデビュー戦(4月7日/阪神・芝1600m)を飾ったのは、桜花賞の日でした。素晴らしい内容で、勝ちタイムは同じ条件で行なわれた桜花賞とコンマ3秒しか変わらず、当時から「秋華賞で面白い存在だな」と思っていました。2戦目の500万下(5月5日/東京・芝1800m)のレースも完勝し、鞍上の武豊騎手も相当な手応えを感じたのでしょう。3戦目の1000万下特別(8月10日/新潟・芝1800m)にも、この馬のためにわざわざ新潟まで遠征して騎乗していますからね。

 そこでは、初の古馬との対戦で4着に負けました。結果、秋華賞出走に向けて1走(1000万下特別1着。9月21日/阪神・芝1800m)余分に走ることになりましたが、無敗で本番を迎えると、何かと足かせになることもあるので、かえって良かったと思います。それに、キズナに騎乗して4着に敗れたとはいえ、凱旋門賞で「勝つにはこれしかない」という好騎乗を見せてきたばかりの武豊騎手が手綱をとります。昔ほどの凄味はないものの、ベテラントップジョッキーらしい、味のある、技ありの騎乗を見せており、「名手・武豊」は健在です。今回も、スマートレイアーをうまくエスコートしてくれるのではないでしょうか。

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