【競馬】乱ペース必至のスプリンターズS。条件合う「穴馬」を発見!

 ひとつ目のポイントは、馬場です。昨年はコースレコードとなる1分6秒7という快時計の決着となりました。昨秋の中山開催はとにかく速い時計が出ていて、開幕週の京成杯AH(芝1600m)では1分30秒7という驚異的なレコードが記録されるほどの馬場だったのです。それに比べると、今年の中山の馬場は全体的に1秒から1秒半ほど時計がかかっているように思えます。

 その理由は、今開催前に行なったエアレーション作業(馬場に穴を開けて、芝を活性化させるもの。それによって、馬場が柔らかくなる)の効果だと思います。昨年はものすごく硬い馬場に見えましたが、今年の馬場は非常にクッションが効いているように感じます。その分、時計がかかっていて、今年は1分7秒半ばから8秒近くの決着になるのではないでしょうか。

 ただし、ペースは決して遅くならないと思います。これが、ふたつ目のポイントです。

 ペースが速くなると思う理由は、セントウルSを逃げ切ったハクサンムーン(牡4歳)に加えて、フォーエバーマーク(牝5歳)というハナを主張する馬が出走するからです。2頭が競り合えば、テン(レース序盤)から相当速くなることが予想され、全体的なペースもそれに引っ張られると思います。

 そういう意味では、セントウルSでロードカナロアを下し、本番への期待も高まっているハクサンムーンにとっては、厳しい競馬になりそうです。というのも、セントウルSを含めて、3着だった高松宮記念(3月24日/中京・芝1200m)や、2着に好走したCBC賞(6月30日/中京・芝1200m)では、「ハクサンムーンが(ハナに)行くから」と、先頭に立つハクサンムーンに誰も競りかけませんでした。それが今回は、フォーエバーマークと熾烈なハナ争いになるのは必至ですからね。

 アイビスSD(7月28日/新潟・芝1000m)では、ハクサンムーンが快勝し、フォーエバーマークが2着。両者の勝負づけは済んでいますが、スタート直後はフォーエバーマークのほうが2完歩ほど前に出ていました。当時は、枠順が内(4番フォーエバーマーク)と外(13番ハクサンムーン)に離れての直線競馬だったので、ハクサンムーンの競馬に影響はありませんでした。しかし、コーナーのある今回は違います。

 フォーエバーマークも先頭で行ったほうが断然いい成績を残していますから、鞍上の村田一誠騎手は強くハナを主張するでしょう。ハクサンムーンに騎乗する酒井学騎手とは同郷(新潟県)の間柄ですが、そこは簡単には譲らないと思います。ハクサンムーンにとっては、ますます苦しい展開が予想されます。もし2番手という形になったとしたら、人気どおりの結果を残せるかどうかは微妙なところですね。

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