【競馬】セントウルS、切れ者ティーハーフで「豊マジック」炸裂か!

ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 およそ2カ月間にわたって開催された夏競馬が終了。舞台は中山と阪神に戻って、いよいよ秋競馬がスタートします。ただし、夏のサマーシリーズ(夏開催の指定重賞での成績をポイント化して距離別に総合得点を競う)はまだ続いていて、9月8日には、東でサマーマイルシリーズ(1600m)最終戦の京王杯AH(中山・芝1600m)が、西ではサマースプリントシリーズ(1000m、1200m)最終戦のセントウルS(阪神・芝1200m)が行なわれます。

鋭い切れ味を秘めるティーハーフ。鋭い切れ味を秘めるティーハーフ。
 マイルシリーズ(京王杯AH)には、現時点でトップのフラガラッハ(牡6歳)をはじめ、勝てば逆転優勝の可能性があるミッキードリーム(牡6歳)、レオアクティブ(牡4歳)、ワイズリー(せん5歳)が出走。一方、スプリントシリーズ(セントウルS)には、首位のフォーエバーマーク(牝5歳)こそ出ませんが、まだ優勝の目があるハクサンムーン(牡4歳)とシュプリームギフト(牝5歳)が参戦。どちらのレースも、複数の馬にチャンスがあって、激戦は必至です。

 さらに、注目すべきは、6月16日~9月8日までのすべての平地重賞レースの結果をポイント化し、その総合ポイントで頂点を争うサマージョッキーズシリーズです。同シリーズを制すると、12月に阪神競馬場で開催されるWSJS(ワールドスーパージョッキーズシリーズ)の出場権を得ることができます。WSJSは、世界のトップジョッキーと同じレースで競い合うことができ、騎手であれば誰もが出場したいと思っている憧れの舞台。それだけに、こちらも最後まで熾烈な争いが予想され、ジョッキーたちの白熱した戦いからは目が離せませんね。

 そのサマージョッキーズシリーズで、現在トップに立っているのは、岩田康誠騎手と武豊騎手(ともに48ポイント)。44ポイントの内田博幸騎手がふたりに続きます。優勝争いはこの3人に絞られていますが、GIIIの京王杯AH(1着=10ポイント)で手綱をとる内田騎手に比べて、ポイントの高いGⅡのセントウルS(1着=12ポイント)に騎乗する岩田騎手と武豊騎手のほうが有利です。しかも、岩田騎手が手綱をとるのは、今や短距離界では絶対的存在となったロードカナロア(牡5歳)。岩田騎手にとっては、かなりのアドバンテージになるでしょう。

 さて今回は、そんなサマージョッキーシリーズの行方も気になる、セントウルSを取り上げたいと思います。

 断然の人気が予想されるのは、前述のロードカナロアです。同馬についてはこれまでも再三触れてきました。本格化したのは、カレンチャンを下した昨秋のGIスプリンターズS(2012年9月30日/中山・芝1200m)でした。そして今春、復帰戦の阪急杯(2月24日/阪神・1400m)では、道中"遊び"もある競馬で快勝。"遊び"ができると距離が持つことが多く、この時点で「マイルぐらいのレースでも大丈夫」と思っていました。実際にその後、高松宮記念(3月24日/中京・芝1200m)を完勝したあと、安田記念(6月2日/東京・芝1600m)を制して、単なるスプリンターではないことを証明してくれましたね。

 昨年のこのレースでは、武豊騎手騎乗のエピセアロームに敗戦。しかしそれは、ロードカナロアに初騎乗だった岩田騎手が「負けられない」と少し大事に乗って、やや早く仕掛けたことが影響したように見えました。結果、出し抜けを食らってしまいましたが、内容的には勝ちに等しい競馬だったと思います。

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