【競馬】クイーンSはキャトルフィーユ。格上挑戦も軽視禁物 (2ページ目)

 ただ、同レースで16着と大敗してしまったあとは、やや精彩を欠く競馬が続いていました。「負け癖がついてしまったのかな......」と思っていましたが、今春の中山牝馬S(3月10日/中山・芝1800m)で3着と好走。昨年同様、続く福島牝馬S(4月20日)で快勝し、連覇を飾りました。

 これで、完全復活かと思ったのですが、前走のヴィクトリアマイル(5月12日)ではまたも大きく崩れてしまいました(13着)。GIとはいえ、2年連続の大敗には、何かしら原因があるのでしょう。

 決め手のあるタイプで、直線の長い東京は良さそうに見えたのですが、意外と小回りのほうがうまく走れるタイプなのかもしれません。また距離も、本質的にはマイル(1600m)は短い可能性があります。

 福島牝馬Sの連覇はもとより、昨年2着、今年3着だった中山牝馬Sと、好走したレースはすべてが右回り。それも、小回りの1800m戦でした。オールザットジャズにとって、この条件こそがベストなのでしょう。ならば、今回のクイーンSはまさにピッタリの舞台となります。

 鞍上は、がっちりと折り合いをつけて、終(しま)いもしっかりと追える内田騎手です。しかも重心がブレずに騎乗できるジョッキーで、オールザットジャズで好成績をあげてきた川田騎手やクリスチャン・デムーロ騎手と同様のタイプです。初騎乗になりますが、きっと手が合うと思いますし、ひょっとすると、ベストコンビが誕生するかもしれません。

 ところで、このレースの「ヒモ穴馬」ですが、オールザットジャズと同じ角居勝彦厩舎所属のキャトルフィーユ(牝4歳)を取り上げたいと思います。

 前走、快勝したレースは、牝馬限定の1000万下の条件戦(7月7日/函館・芝1800m)。相手にも恵まれた感がありますが、陣営の見立てどおり、洋芝(札幌、函館競馬場の芝。時計がかかって、パワーが必要な馬場)の適性をきっちり証明しました。

 もともと、昨年の春には忘れな草賞(4月7日/阪神・芝2000m)を勝って、オークス(14着。5月20日/東京・芝2400m)に挑戦したほどの素材です。秋にはローズS4着(9月16日/阪神・芝1800m)、秋華賞8着(10月14日/京都・芝2000m)と、成長途上の段階ながら重賞でまずますの成績を収めてきました。そのため、その後の成長次第では、いずれは重賞を狙える馬だと思っていたので、格上挑戦となる今回も、牝馬限定の重賞ならば、十分に足りる力はあるのではないかと思っています。

 それに、キャトルフィーユは今回、前日(7月27日)に行なわれる自己条件(1600万下)の漁火ステークス(函館・芝1800m)にも登録していました。しかし、ここに出走してきたのは、脈があってのことでしょう。

 鞍上は、岩田康誠騎手です。キャトルフィーユは、あたりが柔らかいジョッキーよりも、豪快に追うジョッキーのほうが合いそうで、岩田騎手なら申し分ありません。

 また、キャトルフィーユの岩田騎手と、前述のオールザットジャズの内田騎手は、ふたりとも、冒頭に触れた「内で我慢」できるジョッキーです。そうした点もプラス材料で、この2頭でワンツーフィニッシュを決められれば、厩舎としては「してやったり」といったところでしょう。

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