【競馬】ロードカナロアに注目の安田記念。伏兵はダイワマッジョーレ

前哨戦となる京王杯SCを快勝したダイワマッジョーレ。前哨戦となる京王杯SCを快勝したダイワマッジョーレ。ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 5月26日に行なわれた日本ダービー。東京競馬場には13万9000人ものファンが来場し、80回目となるメモリアルレースにふさわしい盛り上がりを見せました。

 さて、その競馬界最高峰の祭典は終了しましたが、面白いレースはまだまだ続きます。6月2日には、5週連続開催となる東京GIレースのラストを飾る、伝統の安田記念(芝1600m)が行なわれます。

 1984年にグレード制が導入されてから新設されたマイルチャンピオンシップ(京都・芝1600m)や、2006年から始まったヴィクトリアマイル(東京・芝1600m)と違って、安田記念は非常に歴史のあるマイル(1600m)重賞です。今年で63回目を迎え、古馬のGIの中でもメジャータイトルのひとつに挙げられます。

 そんな伝統の一戦には毎年、マイラーのみならず、短距離、中距離路線を中心にしている馬たちも参戦してきます。その分、レースの予想は難解を極めます。昨年も1番人気のサダムパテック(9着)の単勝が6.6倍という高いオッズをつけるなど、かなり人気が割れました。そのうえ、ここ数年は波乱傾向で、過去10年を振り返ってみても、1番人気の馬で連対したのは、2009年に連覇を飾ったウオッカの1回のみです。

 だからといって、1番人気の馬が信頼できないレースとは思っていません。というのも、1990年代にはオグリキャップ(1990年)をはじめ、トロットサンダー(1996年)、タイキブリザード(1997年)、タイキシャトル(1998年)と1番人気の馬が4勝し、サクラチトセオー(1995年)とグラスワンダー(1999年)が2着にきています。つまり、この10数年の間は、こうした馬たちのように1番人気になれる実績があって、なおかつ人気に応えて勝ち負けできる馬が、ウオッカしか出てこなかっただけなのです。

 今年のメンバーも臨戦過程はさまざまで、1番人気がどの馬になるのか予想するのも難しいのですが、ウオッカのように1番人気に推されてもおかしくない実績を持ち、その人気に応えられるだけの馬が出走してきました。短距離路線からの参戦になりますが、本格化してからは圧倒的なレースを続けている、ロードカナロア(牡5歳)です。

 マイル戦に挑むのは、3歳時のジュニアC2着(2011年1月5日/中山・芝1600m)以来で、距離が持つかどうか心配され、実績のない高松宮記念(3月24日/中京・芝1200m)からの参戦を危惧する声もあります。また、そんな不安のある人気馬を狙うのはいかがなものか、と考える方もいるでしょう。それでも僕は、ロードカナロアの可能性に賭けてみたいのです。

 なにしろ、高松宮記念の際にも触れたように(3月23日配信「高松宮記念、大本命ロードカナロアの『逆転候補』が見つかった」)、ロードカナロアの成長には目覚しいものがあります。デビュー当初はスピード任せの競馬でしたが、3戦してひと息入れたあとは、道中で脚をためられるようになって、見違えるほど終(しま)いの伸びが増しました。

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