【競馬】福永祐一は、ダービージョッキーの称号を手にできるか (2ページ目)

 史上最速、最年少記録を刻んできた武豊騎手にしても、ダービーを勝つまでには時間を要しました。「勝てる、勝てる」と言われながら、10度目の挑戦でやっと勝利を挙げることができました。

 名手と言われる横山典弘騎手も、メジロライアン(1990年)をはじめ、ゼンノロブロイ(2003年)、ハーツクライ(2004年)と悔しい2着を何度も経験。ダービージョッキーという勲章をようやく手にしたのは、ロジユニヴァースで臨んだ2009年でした。

 昨年、ディープブリランテで勝利した岩田康誠騎手もそうです。2009年のアンライバルド(1番人気12着)、2010年のヴィクトワールピサ(1番人気3着)、2011年のサダムパテック(2番人気7着)と、3年続けて上位人気馬で敗戦。その屈辱をバネにして、ついに栄冠をつかんだのです。

 福永騎手も、昨年の1番人気馬で敗れた経験が、今度こそ生かされるのではないでしょうか。キングヘイローから、ダービーは延べ14回目のチャレンジになります。もう、機は熟しているはずです。したがって、今回はあえて「ヒモ穴馬」とは言わず、優勝候補の1頭として、福永騎手が騎乗するエピファネイアを指名します。

 昨年末(12月22日)のラジオNIKKEI杯2歳S(阪神・芝2000m)を勝った時点では、「西の横綱」と言われたエピファネイア。それが、今年初戦の弥生賞(3月3日/中山・芝2000m)では、福永騎手が騎乗停止で、代わってビュイック騎手が騎乗して4着。外枠だったことで折り合いをつけるのに苦労して、早めに抜け出して差されるという、不甲斐ない負け方で評価を落としました。

 主戦の福永騎手に手綱が戻って臨んだ前走の皐月賞(4月14日/中山・芝2000m)では巻き返しが期待されましたが、そこでも結果は2着でした。弥生賞のときにクセがついてしまったのか、終始かかり気味で、直線に向くと早々に先頭に並びかけていました。福永騎手としては、勝ったロゴタイプの後ろに控えて、外から差すイメージだったと思うのですが、ロゴタイプより前で競馬するはめになり、不本意なレースだったのではないでしょうか。

 その後、ダービーに向けての調教では、馬と人とのコンタクトを重視して、調整していたように見えます。レース本番でもその調教の成果を生かして、きっちり折り合うことができれば、距離も問題なくこなせると思います。母シーザリオは、ダービーと同じ舞台のオークスを制しています。エピファネイアも、偉大な母を彷彿とさせる末脚を披露して、ぜひ頂点に立ってほしいものです。

 最大のライバルと見ているのは、キズナです。鞍上の武豊騎手も"キズナ効果"か、最近は乗れている印象がありますし、何よりエピファネイアよりも後方から仕掛けてくるスタイルが脅威です。その決め手は、僕がサニーブライアンで勝ったダービー(1997年)のとき、驚異的な追い込みで2着に入ったシルクジャスティスとイメージが重なります。エピファネイアにとっては、まさに嫌な存在と言えるでしょう。

 クラシック三冠をたとえて「皐月賞は速い馬、菊花賞は強い馬、そしてダービーは運の良い馬が勝つ」と言われています。競馬のサークル内では、その「星の下」にいるか否か、という言われ方もします。はたして、今年のダービーで「星の下」にいるのは誰なのか、注目です。

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