【競馬】
完成度がモノ言うオークス。狙いは桜花賞組のレッドオーヴァル

桜花賞2着のレッドオーヴァル。オークスでは頂点を目指す。桜花賞2着のレッドオーヴァル。オークスでは頂点を目指す。ダービージョッキー
大西直宏が読む「3連単のヒモ穴」

 5月19日に開催される牝馬クラシック第2弾のオークス。牡馬のダービーと同じ東京・芝2400mで行なわれますが、人間で言えば中学生の女の子くらいの、まだ成長過程にある3歳牝馬にとっては、かなりタフなコースです。

 実際、出走馬のほとんどが未経験の距離。その分、多くの騎手が「道中は折り合いに気をつけて、周りの様子を見ながら」という競馬に徹するでしょう。極端な逃げ馬がいなければ、比較的ペースは落ち着き、無理せずに好位で折り合えることがポイント。かつて「ダービーポジション」と言われた、1コーナーを回るときに10番手以内の位置をとって、うまく流れに乗れた馬にこそアドバンテージがあります。

 だたし、スローな展開になったとしても、一瞬の決め手があればいい、というわけではありません。およそ2000mの距離を走って、最後に長い直線と坂が待っているからです。瞬間的に鋭い脚を使える馬よりも、長くいい脚を使える馬のほうが有利だと思います。

 こうした条件を満たす馬と言えば、デニムアンドルビーでしょう。今回のオークスで最も注目している存在です。

 デビューからわずか3カ月あまりで挑むオークスの舞台。正直、そのキャリアや完成度を考えれば、この過酷なコース設定でのレースはかなり厳しいものになるでしょうが、それらを考慮しても、デニムアンドルビーには大きな可能性を感じます。

 それを実感したのは、初勝利を挙げた3戦目(3月31日/阪神・芝2000m)です。普通にスタートしながら、まだ競馬をわかっていないような走りで、1コーナーを回る際には最後方の位置取りでした。そこから、1000mを通過したあたりで徐々に押し上げて、残り800mぐらいから馬群の外側を回って仕掛けていきました。その分、4コーナーでも大外を回るかなりロスのある競馬になって、随分と脚を使っていましたが、直線に入って坂を上がるところで手前を替えると、さらにグイッと伸びて突き抜けてしまったのです。

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