【競馬】福永騎手が語る皐月賞。エピファネイアの確固たる勝算 (4ページ目)

  • 新山藍朗●取材・文 text by Niiyama Airo
  • photo by Nikkan sports

――さて、皐月賞でライバルと見ているのは、どの辺りの馬になりますか。

「弥生賞の上位組です。勝ったカミノタサハラは、まだそれほど完成度が高くない段階で結果を出したわけですから、持っている能力は計り知れません。2着のミヤジタイガは中山巧者。中山のレースでは立ち回りがうまいですからね、侮れない存在です。そして何より、3着のコディーノ。本番を見据えて、弥生賞で一番トライアルらしいレースをしたのは、この馬です。だから、今度はその経験がレースで生きるはず。前走からの上積みがかなり見込める分、一番怖いのはこの馬ではないでしょうか。加えて、スプリングSでさすが2歳王者という走りを見せたロゴタイプですね」

――エピファネイアは、豪快で荒削りなレースぶりから、皐月賞よりはダービーに向くという声があります。福永騎手も、厩舎の方々も、大目標はダービー制覇というお話でした。そういう意味では、皐月賞はあくまでもダービーを見据えてという意味合いのレースになるのでしょうか。

「距離に関して言えば、ダービーの2400mよりも皐月賞の2000mのほうが向いていると思います。中山コースにしても、苦手なわけではありません。むしろ合っているかもしれませんよ。だから、皐月賞がダービーを見据えてのレースだなんて微塵も考えていません。当然、勝ちに行くし、勝ちに行くべきレースだと思っています」

――最後に、皐月賞の勝算を聞かせてください。

「弥生賞は4着という結果に終わりましたが、それはレースの道中で前に馬を置けず、かかってしまったのが原因だと思います。それでも、上位馬との差は大きくありませんでしたから(1着からクビ+ハナ+クビ差)、逆にいえば、それだけエピファネイアも皐月賞の勝利に近いところにいる馬、ということになります。例年、弥生賞はスローでも、本番の皐月賞はスローにならないことが多いので、今度は競馬もしやすいはずです。4コーナーまでタメが利いて、それを直線で弾けさせることができれば、結果はついてくると思っています」
  
福永祐一(ふくなが・ゆういち)

1976年12月9日生まれ。JRAを代表するトップジョッキー。2011年には、全国リーディングジョッキーに輝いた。通算1496勝。重賞97勝(うちGI16勝)。2013年は、38勝(全国リーディング3位)。※4月12日現在

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